Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

サーキュラーエコノミーへ向けた一歩 ペットボトル水平リサイクル広がる

 

 長引くコロナ渦で様々な変化が起きる。大容量な飲料容器のニーズが増える一方で、ペットボトルの総量自体は減少しているという。

 外出自粛やリモートワーク実施により家で過ごすことが増え、テイクアウトやデリバリー用の容器の需要が増加、また、アルコール飲料や牛乳などで使用される大きめな紙カートンのニーズも増えているという調査報告を矢野経済研究所がまとめた。

 

 

 それによれば、新型コロナの感染拡大で、使い捨て容器が改めて注目され、ワンウェイで処理できるプラスチック容器の利便性が見直されたという。

 何度も使用することができるリユース容器など、これまでの脱プラの流れが一旦ペンディングになりそうであったが、一方で、コンビニでは容器の紙化を推進したアイテムも登場、環境配慮型素材の活用を推進する動きがあるという。

www.yano.co.jp

 

逆風の脱プラ それでも減少したペットボトル

 PETボトルの数量が前年比91.5%まで減少したそうだ。その一方で、紙カートンやアルミ缶の減少幅は小さいという。

 矢野経済研究所によれば、2020年の飲料用容器の市場規模は696億9,300万本、前年比の94.9%に減少しているという。

 アフターコロナ・ウィズコロナの時代においても、脱化石由来原料の流れは変わらないという。今後、環境配慮型素材の活用が飲料メーカーや食品メーカーにおける採用の前提条件になる可能性があると指摘する。

 

 ペットボトルリサイクルの地産地消

 サントリーが、兵庫県東播磨の2市2町と住民、行政、事業者が三位一体で使用済みペットボトルを新たなペットボトルへと再生する「ボトルtoボトル リサイクル事業」に関する協定を締結したと発表した。

 

 

 それによると、協定を結んだ兵庫県高砂市加古川市加古郡稲美町加古郡播磨町サントリーは、市民・町民が分別した使用済みペットボトルを回収、再生して新たなペットボトルにする「水平リサイクル」を4月1日から始めるという。

 この「ボトルtoボトル リサイクル事業」は域内工場で製品にして、東播磨エリアに出荷するそうだ。いわゆる、リサイクルの地産地消ということであろうか。

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(画像:サントリー食品インターナショナル(株)

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 瀬戸内海のプラごみ対策

 瀬戸内海では、プラごみが生態系に悪影響を及ぼしているという。

 それを踏まえて、環境省は、瀬戸内海周辺の自治体と国に対し、海洋プラスチックごみの発生抑制に取り組むよう努力義務を定める方針を固めたとJIJI.COMが伝える。

 兵庫県などの沿岸のほか内陸部の府県も連携し、街中のポイ捨て対策などを強化するという。

現行法は周辺自治体と国に対し、海ごみの除去に努めることなどを定めているが、改正案では発生を防ぐ対策推進も明記。

成立すれば、街中のポイ捨て防止や使い捨てプラの使用削減などの取り組みを内陸も含む地域一体で進められる。 (出所:JIJI.COM)

www.jiji.com

 プラごみ規制が強まれば、自治体や企業が動くということなのだろうか。それでは少しばかり残念なような気がする。

 「ポイ捨て」をいかにして抑制していくのだろうか。

 モラル啓発も対策のひとつなのだであろうが、ポイ捨てし難くなる仕掛けが必要な気がする。

 

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コカ・コーラは自販機横に回収機を設置

 コカ・コーラの東京都東大和市における「ボトルtoボト」リサイクルの取り組みをwiredが紹介する。

 東大和市 と「地域活性化包括連携協定」を締結したコカ・コーラは、「PETボトル自動回収機」を市内に設置し、ペットボトル回収事業に協働で取り組むという。

 コカ・コーラの取り組みは自販機の横のリサイクルボックスを対象とする。ただ、そこにも課題が存在するという。リサイクルボックスが「ごみ箱」と化してしまうという。

 

 

近藤はこのように啓蒙を促す。

自動販売機横のリサイクルボックスには、現状ペットボトル・缶以外のごみが約30%入っています。また、飲み残しがあったり、ほかのゴミが入ってたりしているペットボトルだと、再生可能な原料は減ってしまう。これが難しいところです。『リサイクルボックスにごみを入れない』という行動が、新たな石油を必要としない行動やCO2排出が不要なアクションに繋がっていくと思います」 (出所:wired)

wired.jp


「投入口の形状に工夫を施すなどリサイクルボックスの改良はされているものの、やはり消費者にペットボトルはゴミではなく“資源”だと理解してもらう必要がある」と、コカ·コーラ ボトラーズジャパンの執行役員のレイモンド・シェルトン氏はいう。

 

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動き出すサーキュラーエコノミー

 経団連の杉森務副会長が、小泉進次郎環境大臣と「サーキュラー・エコノミー」をテーマに意見交換を行ったという。

 会談後、小泉大臣が、取り組みの加速化に向けた官民連携を強化する「循環経済パートナーシップ」の設立を提案し、今春を目途に正式に発足させることで合意したという。

 

同パートナーシップ案においては、企業・消費者等幅広い関係者における循環経済へのさらなる理解醸成と取り組み促進を図るとともに、循環経済への流れが世界的に加速化するなかで、国際社会における日本のプレゼンス向上を目指すことが示された。(出所:経団連

www.keidanren.or.jp

 

 サーキュラーエコノミーの機運が高まれば、ごみが「資源」という認識が高まっていくのだろうか。それによって、「ポイ捨て」が減少し、海洋ごみは減っていくのだろうか。

 経団連も指摘するが、消費者である私たちの理解がどこまで進んでいくのかが最大の課題なのであろう。ごみは「資源」であるという新しい常識を受け入れるまでには長い時間がかかるのだろうか。

 

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 「関連文書」

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