Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

海洋プラを防止する国連条約に動くグローバル企業たち 横浜でペットボトル回収を始めるセブンイレブン

 

 科学研究というと自然科学の探求とのイメージか強い。最先端の研究テーマはノーベル賞で表彰されるようなものかと思ってしまう。近ごろでは青色LEDリチウムイオン電池も表彰の対象になり、生活に身近なこともノーベル賞級の発明になってきたと感じたりしていた。

 最近のサイエンス誌にはたびたび「プラごみ」関連の研究論文が登場するようになった。「プラごみ」が科学の対象になることに驚くが、研究が進むことで何かの役に立つのかもしれない。研究成果が活かされることになれば、ノーベル賞の受賞もあったりするのだろうか。

 

 

 

 米Science Advances誌に10月30日、「The United States’ contribution of plastic waste to land and ocean」という論文が掲載された。

 意訳になるが、「米国が陸上と海洋のプラごみ汚染に加担」というところであろうか。ただ調査対象は、2016年までと若干遡っての調査結果だ。

 この論文内容について、ナショナルジオグラフィックと米ABCニュースが報道する。

 

abcnews.go.com

 

 米国が世界最大のプラごみ排出国だった(2016年) = Science Advances

 米国は2016年に世界の他のどの国よりも多くのプラスチック廃棄物 約4,200万mtを産出したという。この調査結果は、「頑丈でアクセス可能な廃棄物管理システム」にもかかわらず、14万〜41万mtものプラスチック廃棄物が米国で不法投棄されたことも示唆している。そればかりでなく、リサイクルのために他の国に出荷された後、さらに15万〜99万mtが誤って管理され、廃棄物の88%以上が、廃棄物を適切に管理していない国に出荷されていたと指摘する。

 2016年、プラスチック廃棄物の産出が一番多い国は米国だった。そして、米国に続く国もまた、人口が最も多い国であり、中国とインドで、続いてEU28か国であったと報告する。

 研究者たちは、研究のデータが数年前のものであるため、COVID-19パンデミックに起因する社会の変化によってプラスチック廃棄物のサイクルがさらに変化した可能性があると警告している。

 

advances.sciencemag.org

 

 こうした論文を読んでみると、この10年で世界各地で急激にプラごみが増えたとの印象を受ける。グローバル企業で始まったサーキュラーエコノミーの動きまだほんのごくわずかに過ぎず、焼け石に水ということなのかと思ってしまう。

 

 

 

海洋プラスチック汚染防止に向けた国連条約の呼びかけ始まる

 WWF、英エレンマッカーサー財団、ボストンコンサルティンググループなどの組織が、世界規模で、深刻になっている海洋におけるプラスチックス汚染問題に真に取り組むため、目標、行動計画、拘束力のある目標を定めた世界的な合意が必要であると述べた報告書を発表したという。

 また、そうした国際条約制定を国連に嘆願していると英インデペンデントが報道する。

 

www.independent.co.uk

 

プラスチックは何年もの間生態系に残り、毎日何千もの海の生き物に害を及ぼします。

紛失して廃棄された漁具は、すべての海洋ごみの10%を占め、カメ、海鳥、海洋哺乳類、そして魚を殺し続けています。 (出所:インデペンデント)

 

 WWF、エレンマッカーサー財団の呼びかけに、ダノン、H&M、スタバ、ネスレ、テスコ、ユニリーバコカ・コーラペプシコ、P&Gを含む30近くの企業が支持を表明したという。インデペンデントによれば、このような集団的企業行動は世界初であり、主催者はより多くの民間企業の参加を求めているという。

 この条約の交渉を開始する決議は、2月に開催される次の国連環境会議で提出される予定だという。

 

www.plasticpollutiontreaty.org

 

 

 

 エレンマッカーサー財団の創設者であるデイム・エレン・マッカーサーは、

「近年、プラスチック汚染に対処するために企業や政府が重要な措置を講じてきました。500以上の組織が新しいプラスチック経済グローバルコミットメントに署名し、プラスチックが廃棄物や汚染になることのない循環経済サーキュラーエコノミーを達成するための明確な目標を設定しています。しかし、自主的な取り組みだけでは十分ではありません」と話しているという。

 

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(資料:WWF

 

 WWFが発行した報告書によると、海洋に流入するプラスチックの世界的な量は、今後20年間で3倍になると予測しているという。

 

lp.panda.org

 

セブンイレブン 横浜市120か所でペットボトル回収始める

 セブンイレブン・ジャパンが、横浜市日本財団と共同で使用済みペットボトルのリサイクル事業を始めると発表したという。日本経済新聞はによれば、横浜市内の120店舗に自動回収機を設置し、資源化して再び商品に活用する循環の枠組みを作るという。プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な課題となるなか、官民一体で環境貢献活動を推進すると日本経済新聞は説明する。

 

r.nikkei.com

 

 はじめて海外赴任したのはマレーシアペナンだった。毎朝、セブンイレブンで買うネスカフェの缶コーヒーが日課になっていた。少しばかり日本を懐かしんでいたのかもしれない。

 セブンイレブンはグローバルに広がるコンビニエンスストアチェーンだ。日本ばかりでなく、ペットボトル回収機のグローバル展開があってもいいのではないであろうか。東南アジアの国々、特に、タイ、ベトナムインドネシアはプラごみの海洋流出が多いといわれている。

 セブンイレブン、サーキュラーエコノミーの世界で毎度登場するグローバル企業たちと肩を並べて、国連条約をリードできないものであろうか。

 

 

「参考文書」

www.nationalgeographic.com