Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

レアアースに新たな鉱山は必要なのか、日産がレアアースをリサイクルする新技術を開発

 

カーボンニュートラル」、炭素中立を目指すようになって、鉱物資源から脱却できるかと思えば、必ずしもそうではないようである。

 EV電気自動車へのシフトを加速させようとすれば、バッテリーにモーター、半導体は不可で、その性能を向上させるには、希少金属が欠かせない。

 レアメタルの1種でバッテリーに使用される「リチウム」を「新しい石油」と呼ぶのにふさわしいとウォールストリートジャーナルはいう。

 EVを始め、あちらこちらにリチウムイオン電池が使用されているのだから仕方がないのかもしれない。新たな資源の取り合いが起きているのだろうか。

 

 

 ここ最近、資源高といわれてきた。しかし、その傾向に変化があるという。レアメタルは、上げ下げの方向性が分かれてきたそうだ。タングステンなどは底堅さがあるものの、コバルトなどは数カ月ぶりに反落しているという。

 新型コロナの拡大で新興国で深刻化し、需要への影響が不安視されているほか、中国の景気減速の憶測も買い気を鈍らせているようだと、その背景を日刊産業新聞が解説する。

 一方、鉄やアルミのベースメタルも中国の影響を受けて価格にばらつきがあるという。アルミは生産能力からか高騰を続け、鉄は需要によって下落局面に向かっているようだ。

 ブルームバーグによれば、中国では、エネルギーを大量に消費するアルミ産業が当局の大気汚染対策の標的となったほか、季節的な電力不足によっても生産が抑制されているという。

www.bloomberg.co.jp

 また、同じように多量に二酸化炭素を排出する鉄は「容赦ない削減」の可能性が高まっているという。これを受けて鉄鉱石先物は下落を始めたという。

中国では年前半に鉄鋼生産が大きく伸びたため、鉄鋼業界が今年の生産削減目標を達成するには、年後半に生産を大きく抑制する必要がある。16日に公表されたデータによれば、7月の鉄鋼生産量は前年同月比で8%余り減少した。 (出所:ブルームバーグ

 中国のカーボンニュートラルはすぐには達成できそうにないといわれるが、なりふり構わずに規制しようとしているようにも見える。

 

 

「電動車用のモーター磁石からレアアース希土類元素)化合物を高純度で効率良く回収するリサイクル技術を開発した」と日産自動車が発表した。

ネオジム」、EVなどで使用する高性能モータには欠かせないレアアース。この元素を付加することでおそろしいほどに磁石 マグネットの性能が向上するが、おそろしいほどに価格が高くなる。

レアアースは資源の偏在や需給バランスによる価格変動が懸念される上、採掘・製錬時に生態系への負荷も伴うことから、その使用量削減が課題となっています」と日産はいう。日産はこれまで貴重な資源を有効に使用するため、その使用量削減に取り組み、また、再生利用にも取り組んできたという。しかし、その煩雑性から、プロセスの簡便化とリサイクルコストの低減が課題となっていたそうだ。

 今回開発したリサイクル技術では、レアアースを98%を回収でき、従来の方法と比べ作業時間を約50%削減することができたという。

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(写真:日産自動車

global.nissannews.com

 不要なモータからレアアースを取り出すために、ものすごいパワーをかけ、また、そのプロセスでもエネルギーを使ってようやく少量取り出すことが可能となる。

 こうした手間を考えれば、ものを大切に使うことも必要なのではないかと、改めて感じる。

 

 レタスクラブが「レアアース」のうんちくを伝えている。

「環境への負荷を減らすためのグリーンテクノロジーには不可欠な存在で、今後、さらに需要が増えるのは確実とされている」と説明する。また、日本でもレアアースの採掘が検討され、特に、本州の南東約1800キロメートルにある南鳥島沖の海底からは、日本の国内需要の250~2000年分をまかなえる量のレアアースが発見され、海底から高濃度のレアアースを回収するメドも立ったという。

www.lettuceclub.net

 環境技術に必要なのかもしれないが、何もそんな遠い海で新規に採掘する必要があるのだろうか。それよりはムダをなくして、必要以上に使用せず、大切に使う工夫が必要なのではなかろうか。