Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

正常化に向かう米国 その影響はどこまで波及するか

  

 新型コロナの世界中の新規感染者数が、この1か月で半分近くに減少したと聞くと安堵する。コロナに対する恐怖が少しばかり薄らぎ、イライラすることもなくなりそうな気がする。

 AFPによれば、世界中の新規感染者数は過去1か月で44.5%減少したという。新型ウイルスの感染拡大が始まって以来最大の下落で、減少期間も最も長いそうだ。

各国政府が「過去の過ち」――昨夏の欧州諸国の早すぎたロックダウン解除を繰り返した場合、再び感染が拡大する危険性があるとAFPはいう。 

www.afpbb.com

 新規感染者数が大きく減少する国がある一方で、まだ感染が拡大している国もあるとAFPは指摘する。

感染拡大のスピードが最も速いイラクでは新規感染者数が81%増加し、続いて近隣のヨルダンで34%、ギリシャで29%、エクアドルで21%、そしてハンガリーで16%の増加が確認されている。 (出所:AFP BB News) 

 いつまでも、自分たちのことばかりでなく、もう少し他者への配慮も考えなければならない、そんなことを思い出す。

 

 

再開

 米ニューヨーク市で、昨年12月から禁止されていたレストラン店内での飲食が、約2カ月ぶりに再開されたと共同通信が伝える。

 ただ客数は定員の25%に制限されるという。

 米CDC疾病対策センターが、国内の学校再開に向け、常時マスク着用や物理的距離の確保を推奨する新たなガイダンスを発表したとロイターが伝える。

 それによれば、ガイダンスは、施設の消毒や個々人の衛生管理、接触追跡の必要性も強調しているという。学校再開は教師のワクチン接種を条件にすべきではないが、各州が教師や職員のワクチン接種を優先することを強く推奨するとしているという。

jp.reuters.com

 米国も落ち着きを取り戻しつつあるのだろうか。コロナを軽視した政権が倒れたことで、自然と、コロナに打ち勝とう、乗り越えていこうの意識が芽生えるのだろうか。

 分断ではなく、 他者への思いやりや協力、調和ということを取り戻すことができれば、乗り越えられないものはない。そんなことが定着していけばいいのかもしれない。

 

 

記憶

 強い揺れの地震と停電が起きると10年前の東日本大震災のことが頭に蘇る。昨夜の地震もそうだった。大きな災害が起きると脳裏に深く刻まれる。このコロナ渦も人々の記憶に残り、感染対策、公衆衛生が自然に身についていくのかもしれない。 

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  昨夏の暑すぎ夏もそうなのかもしれない。それによって、地球温暖化、気候変動への意識が高まったことはないだろうか。  

dsupplying.hatenablog.com

 

  

新たな国際協調

 英豪系資源大手のBHPグループが、国内鉄鋼メーカのJFEスチールと提携して製鉄過程での温暖化ガス排出削減に取り組むと発表したとロイターが報じる。今後5年間に最大1500万ドルを投資するそうだ。 

BHPは2030年までに二酸化炭素の排出を30%削減する目標を掲げている。JFEスチールは同20%超削減を目指している。 (出所:ロイター)

 BHPは世界最大の原料炭採掘企業のひとつ。原料炭は製鉄に使用され、二酸化炭素を大量に排出する。

jp.reuters.com

 

 鉄鋼は、エネルギーに次ぐ規模の二酸化炭素を排出する産業。資源大手が自らのカーボンニュートラル達成のために、顧客の「脱炭素」に協力、協働で技術開発する。

 そのBHPは、中国最大の宝武鋼鉄とも同様のパートナーシップを結ぶ。

dsupplying.hatenadiary.com

  こうした国境を越えた協力の形、企業活動で継続されれば、地球温暖化のスピードが少し緩和されていくのかもしれない。

 

 新たな温暖化対策

 環境や社会的目標の達成状況に応じて借り入れコストが変動する「サステナビリティー・リンク債(SLB)」の発行が今年、急増するとの予想をJPモルガン・チェース盾居るとブルームバーグが伝える。

今年のSLB発行高は1200億-1500億ドル(約12兆7000億-15兆8000億円)に達する可能性があると見積もった。ブルームバーグがまとめたデータによれば、2020年は現地通貨建てを除き89億ドル相当が発行された。 (出所:ブルームバーグ

www.bloomberg.co.jp

 ブルームバーグによれば、従来のサステナビリティー債が特定のプロジェクトに結びついていたのに対し、SLBの発行体は二酸化炭素排出量削減などの目標は設定するが資金の使い道は自由だという。その事例として、イタリアの電力・エネルギー会社エネルが2019年9月に世界初でSLBを発行し、今年末までに発電容量に占める再生可能エネルギーの割合を55%とする目標が達成できなければ、15億ドルの債務の金利が25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇するという。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

 SLBについては、発行体の目標未達を理由に投資家が利益を得るというのは、倫理的な問題があるのではないかという疑問があったいうが、深刻な地球温暖化を思えば、懲罰的な債券もありになったのだろうか。

 

 正常化

  昨夜のような大きな地震が起きるたびに、人類の非力さを感じ、自然の力に畏怖すらする。しかし、人為的な地球温暖化や新型コロナのような感染症はもしかしたら、人類の力で乗り越えることができるのかもしれない。

 懐疑派が表舞台から去った。みなの願いを一にし、国際協調が動き始めれば、社会の雰囲気が変ったりしくのかもしれない。もう過去の幻影と決別するときが来ているような気がする。あえて有罪にこだわることもないということなのだろう。

 

www.cnn.co.jp

 

「関連文書」

www.afpbb.com