Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

急拡大するコロナと上昇する株価 不思議な社会

 

 新型コロナの感染状況が気になる。大阪が「感染爆発」が目前にと共同通信が報じ、憂慮が深まる。

 共同通信によれば、新規感染者数や陽性率、感染経路不明割合など6項目の指標のうち五つは26日時点で基準を超過、残る病床の逼迫度合いも基準値が目前だという。重症者は過去最多の108人に上り、政府の分科会が示す基準で最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)に迫っているという。

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急拡大と混乱

 NHKは、兵庫県市川町の中学校で発生した集団感染を伝える。地元の保健所は、先週校内で行われた合唱コンクールが原因の可能性もあるとして感染経路を調べているという。NHKによれば、合唱の際、生徒たちは例年と同じような並び方で、間隔をあけるなどの措置は取らず、集団感染が起きたクラスの生徒はほとんどがマスクをせずに歌っていたという。 

 

 

 感染力の強さを改めて思い知らされるし、基本事項の重要性が身に沁みる。

 「この3週間が極めて重要な時期だ」と政府はいう。そうであるなら、断固とした措置も必要ではないかと感じる。

「常識的に人が移動すれば感染リスクは高まる」と、野村総合研究所木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「Go Toトラベル」についての政府の見解を否定、現在の感染状況で旅行を促す政策は適切ではなく、「全体的に停止するのが正しい」と指摘したとブルームバーグは伝える。 

www.bloomberg.co.jp

 

 一方、政府の分科会は、医療体制が厳しい地域では自衛隊の活用も検討すべきだと指摘したと日本経済新聞が伝える。自衛隊は大規模な集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」でも投入されており、医療資源をフル活用する事態が再び近づいていると指摘する。

 この危機的な状況下で、個人任せには少々不安も募ったりする。 

 

 

 薄れる倫理観

 こうした状況にもかかわらず、株価は相変わらず上昇し続けているという。ブルームバーグによれば、ワクチン実用化への期待もあり押し目買いが入ったという。

 活況を呈するESG(環境・社会、企業統治)投資では、発行体がESG目標を達成できなければ利率上昇などのペナルティーを科す新たなタイプの債券「サステナビリティー・リンク・ボンド」が登場し、一部の投資家が懐疑的な見方を示しているとブルームバーグが伝える。発行体の目標未達を理由に投資家が利益を得るのは倫理的に問題ないのか、という疑問が投資家の間で浮上しているからだという。

ESG投資の盛況が企業にとってゆがんだ発行インセンティブになりかねないとの議論は以前からあった。

「債券デザイナー」たちが先端を行くあまり商品設計に欠陥のあるESG債が生み出されるという、より漠然とした懸念もある。

例えば環境債のラベルを貼りながら、本当は環境改善効果がない資金調達(グリーンウォッシュ)を見極めるのに、多くの投資家はすでに苦労している。 (出所:ブルームバーグ

www.bloomberg.co.jp

 

「発行体の努力で利率の上昇を防げると捉えれば報酬と言え、それは投資家から発行体への寄付のようなものでもある」と、三井住友海上火災保険の小林奈央・投資部課長代理が指摘したとブルームバーグは伝える。小林氏は、ESG債への興味はあるとしつつ、リンク債については利率変動の本質的な意義が判然としないと言うそうだ。目標未達の場合の利率上昇を「発行体への懲罰と考えた場合、それを投資家が受け取るのには違和感がある」と話したという。

 

 コロナとGo To、狂乱の株価と怪しげなESG投資、そんなニュースを見ていると、コンプリケイテッド(complicated)、複雑で、込み入った社会という感じがする。

 政府は感染対策と経済の両立を口にするが、コロナの感染拡大に関係なく、株価は上昇を続けている。不思議な世界である。規範なき社会のようにも思える。

 個人の倫理観や道徳観が鋭く問われ始めているのかもしれない。

 

「参考文書」

www.nikkei.com

 

www3.nhk.or.jp

 

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