米国石油大手のシェブロンが重い腰をあげたようだ。ようやく2050年までのカーボンニュートラルに言及したようだ。やはり政策が変わったことの影響が大きいのだろうか。
米石油大手シェブロン、2050年ネットゼロ目標を採択(米国) | ビジネス短信 - ジェトロ
JETROによれば、シェブロンは、スコープ1とスコープ2に該当するGHG温室効果ガスの排出量について、2050年でのネットゼロ目標を採択したという。スコープ3については2028年目標を新たに設定したそうだ。
世界5大石油メジャーの中で、米国のエクソンモービルとシェブロンが、2050年ネットゼロ目標をこれまでコミットせずにいたが、シェブロンのこの宣言により、エクソンモービルのみがカーボンニュートラル未宣言となったそうだ。
米国のESGに関わる取り組みは先駆的な取組もあるものの全体的に見れば、欧州に比してまだまだ遅延しているということなのだろうか。
欧州では3月、EUが、ESGの観点から金融商品の特性を評価、開示することを運用会社に義務付ける「SFDR サステナブルファイナンス開示規則」を導入したという。
「反グリーンウォッシュ」がESGの世界標準に-身構える運用会社 - Bloomberg
この「反グリーンウォッシュ」規則というべき新たな規則が、推定35兆ドル(約4000兆円)に上る世界のESG市場の標準となりつつあると、ブルームバーグはいう。
欧州の運用会社は既に、あやしげな商品をサステナブルとして売り込むことをやめている。SFDRの下では、これまで多用されていたような誇大広告は許されないからだ。かつては業界の定番だった「ESGインテグレーテッド」などという無意味な表現は消えつつある。 (出所:ブルームバーグ)
あいまいなラベルが取り除かれることで、ESG市場に変化がおき、欧州のファンド業界では2020年末までの2年間に、2兆ドル相当の金融商品からESGのラベルが外されたという。それに伴ってのことか、欧州のESG資産の規模は、米国を下回るようになったという。欧州のこの動きが、米国を始め世界に伝播することはあるのだろうか。
こうした動きによって、「ウォッシュ」が排除されるのはよいこともしれないが、本質的には、ESGがより重視され、企業の活動がそれに従っていくことなのだろう。
一方、IMF 国際通貨基金は、カーボンプライシングを普及させていくことが、気候変動抑制には有効と提案(カーボンプライシング普及のための提案)する。こうした公的な規制がないと、企業活動を効果的に気候変動対策に貢献させることはできないのだろうか。
COP26が間近に迫ってきた。IMFの提案もCOP26を意識してのことだろうか。
今回のCOP26は注目度が高いそうだ。その現れなのだろうか、米バイデン大統領が参加を表明しているという。ただ、中国の習主席は出席を見送るそうだ。
多くの議題や課題のうち、特に注目されるものが3つある。
(1)パリ協定6条の「市場メカニズム」と(2)同13条「透明性の枠組み」のルール策定、(3)先進国などから途上国に提供する「資金動員の目標」――である。 (出所:日経ESG)
気候変動対策には、政治的な規制が求められるのかもしれないが、あまりにも政治色が強くなり過ぎることはどうなのだろうか。
「ベンチャー企業がやるだけではダメで、社会全体で新たなチャレンジを受け止めていくことがサステナビリティ、SDGsを実現していく中で大切なことだということを皆さんにもっと知っていただきたいと思います」と、ユーグレナ社の出雲社長がBusiness Insiderのインタビューで話す。
(バイオジェット燃料の)商業化は当然視野に入っていますし、どういうステップで進めていけばよいのか、考えを尽くしています。ここは乞うご期待で。
もう少しお時間をいただきますが、2025年には「こういうことだったんだ」と分かっていただけるようにしたいと思います。それがベンチャー、スタートアップの使命ですから。(出所:Business Insider)
政治に頼ることも必要なこともあるかもしれないが、やはり企業が主体的に強い意志をもって気候変動対策を進めるべきなのだろう。