トンガの大規模噴火の後、「トンガの噴煙で温暖化が一気に解決?」というような書き込みがSNS上にあったそうです。
トンガ噴火の気候への影響 専門家「限定的とみられる」 | NHKニュース
NHKによれば、火山噴火によって放出される二酸化硫黄は大気中で酸化して「硫酸塩」になり、火山灰とともに地上に届く太陽光を弱める働きをするそうです。
1991年のフィリピン・ピナツボ火山の大噴火では多量の噴出物が成層圏に達した結果、地上に届く太陽光が弱まり、地球全体の平均気温が0.5度ほど下がりました。日本のコメの生産量減少にもつながったとされています。(出所:NHK)
江戸期におきた天明の飢饉では浅間山や岩木山の噴火の影響があったといわれ、また、12世紀の浅間山の噴火が、欧州の異常気象に原因となり、大雨や冷夏が数年続き、作物の不作と飢饉をもたらしたという研究結果もあるといいます。
900年前の欧州の大飢饉、浅間山が原因? 氷河に痕跡:朝日新聞デジタル
火山噴火と地球温暖化の関係というよりは、過去の事例からすれば、それが天候不順や異常気象につながり、不作が起す可能性も否定できないとみるほうが現実的ではないでしょうか。ただでさえ、食料品が値上がりしているこの時期なのですから。
ただ、今回のトンガの噴火では、放出された二酸化硫黄の量がピナツボ火山の50分の1程度だという速報的な解析もあるそうです。天候への影響の調査が早めに進むことを期待したいです。
洋上風力発電公募で落選、株価が下落するレノバ
期待とは時に裏切られることもあるものです。
再生可能エネルギー発電施設の開発と運営を行うレノバが、秋田県由利本荘市沖の洋上風力案件の公募で落選し、その後、株価が最高値から7割近く下落しているといいます。
日本経済新聞によれば、今回の案件を受注した三菱商事連合は売電価格を11.99円としたのに対し、レノバが提示価格は倍以上の開きがあったのではないかと予測しています。
レノバが計画中のバイオマスや太陽光発電などが全て稼働する25年時点では、売上収益が伸長し、十分な純利益も確保できる見込みといいます。
ただレノバの売電価格はFIT制度に支えられ、我々は高い電気料金を強いられています。株価的には悲観する必要はないのかもしれませんが、何か釈然としません。
会社の成長を願えば、次々と発電所を増設し続けるということなのでしょうけれども、それで十分なのでしょうか。脱炭素に貢献することはあるのかもしれませんが、由利本荘市沖で落選した理由からすれば、もうそろそろ価格競争力を高める施策が必要になっているのではないでしょうか。
洋上風力発電の低コスト化に挑む東京ガス
東京ガスもガス会社でありながら、積極的に洋上風力発電への参入を目指し、準備を進めています。そのために、浮体式洋上風力に着目、その量産化技術や低コスト化技術を開発するといいます。
東京ガス : NEDOグリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化プロジェクトの実施予定先に選定
東京ガスのキャッチコピーではないですが、「脱炭素は脱常識」ということなのかもしれません。以前であれば、ガス会社が電気を扱うとは想像できませんでした。規制緩和はあったものの果敢にチャレンジする東京ガスには期待したいと思います。