Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【地球を救う】宇宙で使う洗剤を開発するP&Gとジェフベゾス氏が宇宙を目指す理由

 

 米国ラスベガスで毎年1月に、世界最大の電子機器やテクノロジーの見本市「CES」が開催されている。今年の「CES」では、日用品のP&G プロクター・アンド・ギャンブルが洗剤の「Tide」を出展したと聞いて、ずいぶん様変わりしたものだと驚いた。

宇宙で使える洗濯洗剤

 宇宙空間、ISS 国際宇宙ステーションでは、洗濯ができずに同じ服を何日も着続けなければならないそうだ。この問題を解決するため、P&GとNASA 米航空宇宙局が「Tide Infinity」という洗濯洗剤を共同開発したという。

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 wiredによれば、それは無香料で完全に分解可能な成分を使っているので、ISSのように水を循環させて使う完全閉鎖系のシステムでも安全に使えるという。

 

 

この洗剤に含まれる汚れや臭いを防ぐ主成分の効果については、これから数カ月かけて宇宙空間で検証される予定だ。さらに今後は、洗浄能力や補給方法、深宇宙ミッションにおける洗濯洗剤としての有用性などを検証することになる。(出所:wired)

 この実験で得られた知見で、水が少ない地域でも洗濯できるようになったり、生活雑排水をより効率的に再利用できるようになるかもしれないそうだ。

「地球上での洗濯プロセスをより持続可能なものにしていきたい」と、P&Gがいっているという。

ジェフベゾス氏が目指す宇宙とは

 アマゾンの創業者にして、航空宇宙企業である「ブルーオリジン」を運営するジェフベゾス氏が「Invent & Wander」という本を執筆し、宇宙進出について語った。

資源は有限なのに需要が無限に伸びたらどうなるでしょう?  答えは簡単です。

配給制にするしかありません。

いまのままだとその方向に向かうほかなく、世の中がその方向に進めば、歴史上はじめて私たちの孫世代は私たちよりよい人生を送ることができなくなります。決していい方向とは言えません。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 いずれ「資源が枯渇するようになる」とベゾス氏は指摘し、「停滞」と「成長」のどちらを選ぶかと問う。

 そして、地球を出れば太陽系には私たちが実際に使える資源が豊富に存在するという。これは、「私たちが選択できる」ことを意味する。

「停滞と配給か? それとも活気と成長か?」 選ぶのは簡単です。

 ベゾス氏は地球近くに「スペースコロニー」を作るべきだと主張する。

 ベゾス氏が始めた「ブルーオリジン」は、将来の有人宇宙飛行を目的とし、民間資本で宇宙旅行を大幅に安くして、なおかつ信頼性を高める技術を開発しているという。

 

 

 宇宙移住の候補地として有力視される火星では遠すぎて、火星への往復には数年かかり、さらに最適な打ち上げの機会は26か月に1回しかない。これではロジスティクスの面で非常に深刻な問題になり、そのうえ、距離が遠すぎて地球とリアルタイムの通信ができない。光速の限界という。

 しかし、コロニーなら気候も思いのままコントロールでき、一年中マウイ島の気候を味わうようなこともでき、雨も降らず、嵐もなく、地震もないという。美しく住みよい環境がそこにあれば、住みたがる人は増え、しかも地球から近い場所につくれば、地球に戻ることもできるという。

ジェフ・ベゾスが「人類は宇宙に住む以外道がない」と断言する衝撃理由 | Invent & Wander | ダイヤモンド・オンライン

 ただ地球は「制限居住地区」となり、軽工業だけが行われる場所になり、そして、住むにも、訪れるにも、美しい場所になるという。

大学に行くにも、軽工業を営むにも最適な場所になります。ですが重工業や大気汚染の原因になるような工業、つまり地球に害をもたらすことはすべて、地球の外で行われるようになるのです。

そうすれば、この宝石のような奇跡の惑星を、一度傷つけてしまうともとに戻らない場所を、保護することができます

これ以外に道はありません。地球を救わなければなりませんし、孫やその孫のために活気と成長をあきらめてはいけません。どちらも手に入れることはできるはずです。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 

 

アマゾンの成功とブルーオリジン

 アマゾンが成功できたのは、それまでにあったインフラを上手に利用したにすぎないと、ベゾス氏はいう。そして、これは重要なことを意味する。

 今すぐに宇宙にコロニーを作ろうとしても、それは実現することはない。まずインフラを整えていく必要がある。そう、後の世代のためにまずはインフラをつくることから始める。

コロニーを建設するのは、いまの子どもたちとその子どもや孫たちです。孫世代がコロニーをつくれるよう、インフラをつくりはじめるのは私たちの世代です。私たちが宇宙への道を切り開けば、素晴らしいことが起きるでしょう。(中略)

環境が整えば、人々は思い切り創造性を開花することができます。私たちの世代が宇宙への道を開き、インフラを築けば、大勢の未来の起業家が本物の宇宙産業を創造するでしょう。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 日本にも同じように宇宙に思いを馳せ挑戦する企業があるようだ。

月面農業は地球の食糧問題を解決するのか

 人類が地球外に住むときに重要なカギとなるのが「食」といい、宇宙での食の開発をする名古屋大発のスタートアップ「TOWING」。 農業に不可欠な「畑」を宇宙につくることが目標だという。

次世代の”畑”を宇宙に -地球の農業を救う持続可能な畑とは | SPACE Media

 SPACE Mediaによれば、「TOWING」2021年9月から、地球と宇宙の食の課題解決を目指すJAXA主催共創プログラム「SPACE FOODSPHERE」に参画し、月面基地上で利用する土・畑の開発を行っているという。

 具体的には、人工土壌「高機能ソイル」の実用化を目指しているという。

「高機能ソイル」とは、農研機構が開発した良質な土壌の微生物環境を構築するバイオテクノロジーだそうだ。

「宇宙のために開発している技術を上手に地上にリンクさせ、地球の食糧問題の解決も目指していきたい」

と「TOWING」の代表 西田宏平氏が述べているという。

 無謀と思えるような宇宙の夢も、もう最初の一歩が始まっているようです。そこで得られる知見がまた、今地球が抱える問題の一助にもなっていくのかもしれません。