Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

コロナ渦 あきらめるべきこと、あきらめないこと。スパイバーの野望から学ぶ

 

 ようやく米国大統領選の結果が判明したようだ。バイデン前副大統領が306人の選挙人を獲得し、それに対しトランプ大統領は232人、大差がついたという。

 トランプ氏の演説での発言が「バイデン氏が後継になることを初めて認めたようだ」との見方をロイターが伝えたという。日本経済新聞によると、選挙結果が正式に確定すれば、トランプ氏が2024年の大統領選に再出馬を表明するとの観測も浮上しているという。

 

www.nikkei.com

 

 諦めが悪いようだ。選挙というルールに則って選ばれた大統領が、その選挙結果が自分に不利な結果となれば、受け入れずに自己主張を続けることに疑問を感じていた。身勝手過ぎないだろうかと。ようやく鎮静化かと思えば、次回と口にする。

 一国のリーダーの言動は良くも悪くも社会に何らの影響を残すものだ。早くこの問題が適切な方向に収束されていくことを願うばかりだ。

 

 

 

 失敗は人類の重要な知見

 諦めが悪くても、結果が良い方向に進むのであれば、それは応援したくなるものだ。

 Spiber(スパイバー)を起業し、 人工クモの糸の開発に成功した関山和秀氏はその一人のだろう。その関山氏に「MUGENDAI」がインタビューする。

 

僕は、あきらめの悪い人間なので、最後の最後まで粘って突破口を探します。それでもだめだったらしょうがない」。

  起業してからブリュード・プロテインを実用化するまでに約12年もの時間がかかったという。「いろいろと紆余曲折があったと推察します。どのように対処されてきたのでしょうか」とMUGENDAIに問われた、関山氏は、

「ネガティブな感情に足をすくわれないよう、常に冷静に「この状況をどうすれば切り抜けられるか」に集中していました」と答える。

 先が見通せないと苦しい思いをしたりするが、この心構えがあるからこそ、12年もの間、目標に集中し続けることができたのだろうか。

スパイバーのスタートの場となった先端生命科学研究所の研究室では、失敗しても「ナイストライ」と言ってもらえるカルチャーが醸成されていて、失敗への免疫が育まれていたことも大きい。

失敗なんかない。うまくいかない1万通りの方法を発見しただけだ

エジソンの名言じゃありませんが、私の失敗も人類という規模で考えれば、将来同じ課題に取り組む人たちにとっての有用な知見になる。 (出所:MUGENDAI)

 

www.mugendai-web.jp

 

良き理解者を得る

 明確な目標があるからこそ、目の前に現れる問題を一つひとつ丹念に解決していくことができるのだろうか。また、目標があるから、よき理解者が現れ、協力をしてくれるのかもしれない。

アパレル領域においては、「環境分解」される素材づくりを目指しています。たとえば、洗濯排水から海に流れる化学繊維由来のマイクロプラスチックは、年間50万トンとも言われています。

多くのアパレルメーカーやブランドは、この課題に真剣に取り組もうとしています。原料を枯渇資源である石油に頼らず、環境負荷の高い動物にも依存せず、海洋を含めた環境分解性を持った新素材を開発し、アパレル製品に活用していくことで、地球環境の保全において大きな役割を果たしていけると考えています。(出所:MUGENDAI)

 

 関山氏は、「ムーン・パーカ」の製品化に尽力したゴールドウインの渡辺貴生社長、カットソーを共同開発した「sacai」のクリエイティブディレクターである源馬大輔氏、パリのオートクチュールコレクションでブリュード・プロテイン素材を使用した作品を発表した中里唯馬氏を協力者の名としてあげる。

 

長期的ロードマップに賛同していただけないと、一緒に共同開発は進められません

 いよいよ来年2021年からタイの工場が稼働し、ブリュード・プロテインの量産が始まるという。2022年には、米国でも生産開始となる予定だ。

 サステナブルな素材が本格的に市場に登場するようになるのだろうか。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

時間がすべてを解決する

 コロナがまた拡大を始め、先がなかなか見通しにくい。それに加えて、脱炭素社会の実現とか、何か社会が大きく変化しそうなニュースが増えれば、なおさら先が見通せない。

 

「時がたてば分かるだろう」

 トランプ大統領が13日、ホワイトハウスで行った新型コロナに関する演説でそう話したという。そうなのかもしれない。結果はどうあれ、あとは時がすべてを解決してくるかもしれない。

 

もっと大きな視点で俯瞰すれば、私の人生における成功や失敗など、宇宙の歴史の中からみたら誤差にすぎません(笑)。極論ですが、海と山さえあれば、自分で食料を調達して生きていけると思っているので、もし事業が失敗しても、それで人生が終わるわけじゃない。そんな考えでいると、チャレンジもしやすくなるように思います。 (出所:MUGENDAI)

 

 このくらい楽観的に考えることができれば、乗り越えられない問題はないのかもしれない。

 

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