Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

先が読めぬウクライナ情勢、進みそうな円安、止まりそうにない輸入価格の上昇、変わらぬ日銀総裁の発言

 

 ウクライナとロシアの停戦交渉に進展があるかのように報じられることが多くなってきた。ただ双方が折り合える合意点を見出すにはもう少し時間がかかるのだろうか。

ロシア・ウクライナ、暫定和平案で進展と報道 ロシア側「時期尚早」 | ロイター

 石油や小麦、商品価格が乱高下する。ウクライナ情勢が解決に向かうまでは高値圏で推移することになるのだろうか。

 昨日記者会見した首相もこの件にふれ、「ロシアによるウクライナ侵略の影響による我が国経済・暮らしへの影響を緩和する対策については、既にガソリン価格を172円程度に抑える激変緩和措置など、当面の対応を決定し、国民の皆さんにお届けしています」という。「今後も、原油価格、原材料価格、食材価格などへの波及の状況を注視し、事態が長引く場合には、更に機動的に対応してまいります」と述べた。

 相も変わらずの対処療法で、深刻な影響になったら対応するという。税金を使っての対策に何の意味があるのだろうかと感じてしまう。根本対策はできないのだろうか。

 

 

 一方、米国はインフレ対策でFRBが、2年ぶりのゼロ金利解除を決め、22年中に政策金利の誘導目標(下限)を1.75%まで引き上げる見通しを示したという。1回の利上げ幅が0.25%なら年内の残り6回の会合すべてで利上げすることになるそうだ。

円が一時119円台、対ドル6年ぶり安値 米金利上昇で: 日本経済新聞

 為替市場は早速反応し、円は一時119円台まで下落し、2016年2月以来6年1カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけたという。円の下落は、さらなる輸入品価格の高騰を招く。

資源輸入国の日本では「交易条件の悪化がすさまじい勢いで起きている」とし、海外への所得流出による景気悪化も懸念。

コスト高が消費や賃上げ、設備投資を抑制し、内需に下押し圧力をかける恐れがあるとし、当初3、4%台が期待された22年度の成長率は「かなり低いプラス成長に終わってしまう可能性がある」と分析した。(出所:ブルームバーグ

さらなる円安は経済に悪影響、家計や中小企業に打撃-門間元日銀理事 - Bloomberg

 こうした状況に、「残念ながら日銀にできることはほとんどない」とブルームバーグはいう。「景気の下振れリスクが高まる中で「やるとすれば追加緩和だ」としながらも、「緩和手段は全て限界までやっており、意味のある追加緩和はもうできない」と指摘する。「市場の安定を図ることを基本的にやっていくしかない」そうだ。

 

 

 他方、日銀の黒田総裁は、エネルギー上昇を反映しても、2%の物価目標を安定的に実現できる状況にはないとの見解を参院予算委員会で示したという。

携帯効果剥落やエネルギー高反映でも2%実現の状況にない-日銀総裁 - Bloomberg

・出口戦略を具体的に論じるのは時期尚早

・2%の物価安定目標を達成すれば、当然出口を検討して実行

・現在の大幅な金融緩和を続ける(出所:ブルームバーグ

 この時勢を鑑みてことなのだろうか。みなが先行きに不安を感じ始めていないだろうか。人心を無視した金融政策の限界ということなのだろうか。不安ばかりが募りそうである。

 

「参考文書」

令和4年3月16日 岸田内閣総理大臣記者会見 | 令和4年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ