Up Cycle Circular’s diary

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からあげクンが36年間で初めての値上げへ、それでも悪い円安ではないのか

 

 ローソンが「からあげクン」を5月31日から10%値上げすると発表したという。1986年4月の販売開始以来36年間で初めての値上げとなるそうだ。これまで累計で37億食販売してきたという。

ローソンが「からあげクン」を10%値上げへ、発売36年目で初 - Bloomberg

 価格は216円が税込み238円になる。原材料価格の高騰や輸送コストなどの上昇により、現行価格での提供が困難になったことが理由という。

 

 

高水準が予想される日銀の消費者物価見通し

 ブルームバーグによると、日本銀行が4月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で示す2022年度の消費者物価見通しは、30年ぶりの高水準となる可能性があるという。エコノミストの22年度予想は前年比1.8%の上昇。

日銀の22年度物価予想は30年ぶり高水準視野、円安で市場との対話難化 - Bloomberg

 日銀は足元の上昇は一時的とみて現行の金融緩和策を維持する構えを崩していないが、欧米との金利差に伴う「円安」で正常化観測が広がる市場との対話は一段と難化しそうと指摘する。

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賃上げはどこまで進んだのだろうか

企業の賃上げも2%目標の安定的な達成を可能とするほど強まっていない、との声が日銀では聞かれる。

中長期の予想インフレ率の上昇は限定的で、日銀内では、エネルギー価格が上昇をけん引するコアCPIよりも基調的な物価上昇圧力の推移をしっかり見る必要があるとの指摘が出ている。(出所:ロイター)

 持続的な賃上げが伴わなければ、「悪い円安」と呼ぶのではなかろうか。

日銀、22年度物価見通し引き上げ検討 プラス1%台後半の可能性=関係筋 | ロイター

 日銀内では購入頻度が高いガソリンや食料品の価格上昇により、消費者心理が冷え込むことへの警戒感から企業の値上げがあまり広がらない可能性や、値下げで対応する動きも想定していると向きもあるという。

 世間で囁かれる値上げラッシュとは違った感覚で情勢判断しているのだろうか。

 

 

正しいことをする

 米スターバックスでは、創業者ハワード・シュルツ氏が暫定的にCEOに復帰した。Forbesがシュルツ氏の言葉を紹介します。

企業は利益や効率を常に求めている。しかし、私の経験から言えばそれを持続できる唯一の方法は、正しいことをすることです。そうすれば素晴らしい人材が来てくれる。価値観をしっかり持った顧客が支持してくれる。勇気を持って正しいことをやろう。私は、日本のリーダーにそう呼びかけたい(出所:Forbes)

企業には世の中を変えていく使命がある スタバCEOハワード・シュルツの経営哲学 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

「なぜなら、それが誰にもプラスを生むから」、ともシュルツ氏は語り、「正しいことをする企業に、人も利益もついてくる。スターバックスは、まさにそれを実践したのです」と、前回CEOに復帰し、スタバを再生した際の経験を語っている。

 シュルツ氏が創業したスタバは順調に成長し、シュルツ氏は2000年にCEOを退任し、その後、後任のCEOの下でも成長を続けたようにかに見えたが、そうではなかった。株価は一時、最盛期から81%も下落し、2008年、シュルツ氏がCEOに復帰することになった。

「会社は間違いを犯しました。コントロールできない成長をしてしまったのです。しかし成長している時には、間違いは見えないものなのです」(出所:Forbes)

 Forbesに紹介する言葉は「スターバックス再生物語」にも符合する内容だ。

 

 

 日銀も企業も「正しいこと」を行っているのだろうか。「企業には世の中を変えていく使命がある」というシュルツ氏の姿勢を見習うべきではなかろうか。