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吉野家元常務の耳を疑いたくなるよう不適切発言、それが今のマーケティング常識なのか

 

 吉野家の伊東正明常務取締役が大学の講座での不適切な発言をし、解任になったという。吉野家HDの執行役員からも外されたという。

吉野家HD、不適切発言の常務取締役を解任 「到底許容できない」:朝日新聞デジタル

 解任は18日深夜の臨時取締役会で決まったという。

吉野家HDは理由として「人権・ジェンダー問題の観点から到底許容することのできない職務上著しく不適任な言動があった」などとしている。(出所:朝日新聞

 朝日新聞によれば、伊東常務は生活用品大手P&G プロクター・アンド・ギャンブルの元バイスプレジデントで、2018年に吉野家に移ったそうだ。マーケティングなどについてオンラインの講座を開くなど、知名度が高かったという。

 

 

 今回の発言をもって、マーケティング全体を断じてはいけないのかもしれないが、ここ最近、マーケティングについて少々胡散臭さを感じていた。

 問題の発言があったのは、早稲田大学の「デジタル時代のマーケティング総合講座」で、4月から7月に80時間をかけて行われる社会人向けのプログラムだという。受講費用は38万5000円。大学の教育の場での発言だけにその本心を疑いたくなる。

吉野家「生娘をシャブ漬け戦略」抗議した受講生が詳細語る。「教室で笑い起きた」 | Business Insider Japan

 Business Insiderによると、受講生のひとりは「マーケティングより人権意識のほうが大切」と話していたという。

講座はスタートしたばかりですが続けることを迷っています。マーケティングや授業よりも、人権意識を持つことの方が大切だと感じるので(出所:Business Insider)

 マーケティング業界で著名人で、数多くの講座を開いては、講義していたかと思うとぞっとする。どんな悪影響があったのだろうか。

「女性蔑視で消費者を馬鹿にした発言」と話す弁護士の伊藤和子さんの言葉をBusiness Insiderは紹介する。

 また「伊東氏個人の認識なのか、問題発言となったようなマーケティング施策があったのか、役員やマーケティング部門でこうした用語が日常的に使用されていたのかなど、徹底した調査をして欲しい」と話す。

早稲田大学も外部講師に対するコンプライアンスのポリシーや、問題が起きた場合にどう対処するのか詳細を明らかにして欲しい。(出所:Business Insider)

 そうでないと信頼を回復することはできないという。徹底的に調査し、問題の本質を突き止め、根本対策をうってもらいたい案件である。

 

 

 ロイターによると、19日の株式市場で、東証プライム市場上場の吉野家ホールディングスの株価は続落し3%超安となり、午前10時現在、東証33業種の小売業で値下がり率上位を推移しているという。

吉野家HD株は3%超安、常務取締役の発言が炎上 | ロイター

市場では「3月に続く炎上騒動で、企業統治の欠如を疑わざるを得ない事案。今回の騒動を受け売り上げ減少も懸念されている」(国内証券)との声が聞かれる。(出所:ロイター)

 吉野家は19日に都内で新商品発表会を予定していたが、騒動を受け中止したそうだ。

 日ごろ考えていることが言動に現れるという。問題となったような行為が教育の場ばかりでなく、日常茶飯事にマーケティングの現場で行われていたとするのなら、言語道断であろう。

 ここ最近、どこもかしこも「SDGs」である。まさかSDGsまでも、そんな手法に侵されていないかと心配にもなったりする。