Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

フィジカルインターネットは、物流の危機を救い、変革を起こせるのだろうか

 

 社会をより良くしていこうと何かの課題に取り組めば、また新たな課題が出くわすことになる。社会課題なるものは一向につきない。日々の仕事もまた同じなのかもしれない。疑問的意識をもって、仕事をもっと良くしていこうと思えば、問題に気づき、それを改善しようとすると、また、違う問題を発見したりする。社会における課題も、仕事における問題も、大小の違いはあるのかもしれないが、本質的には同じなのだろう。仕事上における問題が解決が、もしかしたら社会課題の解決につながっていくのかもしれない。

 

 

 物流業界においては、ドライバーの過重労働が問題視され、その対策とし、ドライバーの時間外労働に上限規制が設けられるという。職場環境を改善すれば、ドライバーの仕事に応募が増えるかもしれない。人手不足に陥ることを抑止し、事故防止を目的に必要な規制がされたという。この規制が2024年に始まる。

 しかし、この規制施行前に物流業界が、危機感を募らせるという。ただでさえ働き手不足なのに、そこに規制が加われば、人手不足に輪をかけかねないという。

日本襲う物流危機、3割運べず? 損失年10兆円、カギ握るDX化【けいざい百景】:時事ドットコム

経産省のある幹部は、この年を境に需給バランスが崩れ、大幅な物流コストの上昇が発生しかねないと危惧。「日本経済の大きな成長制約要因になる。もう尻に火がついている状態だ」と話す。(出所:JIJI.COM)

 迫る物流危機、「もう運べない」という「物流クライシス」をどう克服するか、少子化の中で働き手の急増が見込めない以上、鍵を握るのはDXによる物流の効率化と、JIJI.COMは指摘し、「フィジカルインターネット」という物流改革を紹介する。

 インターネット通販が普及し、国内の物流需要は増加し、それとともに、トラックの積載率の低下、直近20年間で約20%も下がり、今では40%台まで落ち込んでいるという。こうした状況の改善を図る手段としてフィジカルインターネットが注目されているという。

フィジカルインターネットとは、トラック等が持つ輸送スペースと倉庫が持つ保管・仕分スペースのシェアリングによってそれら物流リソースの稼働率を向上させ、より少ない台数のトラックで荷物を運ぶことで燃料消費量を抑制し地球温暖化ガス排出量を削減することを通じて、持続可能な社会を実現するための革新的な物流システムのコンセプトです。(引用:野村総合研究所

 

 

 物流のスピードアップを競うようになり、インターネット通販では翌日配送が当たり前になった。時間を競うようになれば、トラックの積載効率を犠牲にして、走らさせなければならない。積載効率を向上させようとすれば、共同輸送ができるようになればいいのだろう。自社専用での物流システムにこだわらず、混載してトラック輸送できるような仕組み作り、システムが求められている、それがフィジカルインターネットということなのだろう。現有のシステムを活用しつつ、そうした効率化にチャレンジする力が求められていないだろうか。

 兎角、デジタルが先行し、そこに変革が求められる。大上段に構えると、萎縮して身動きが取れないこともある。できるから改善から始めて、さらなる効率化を図るときにデジタルが活用されればいいのだろう。そうすることで変革が起きるというものだ。

 改善は無限と言われている。そうであれば、変革もまた連続して起きる。変革が起きないのは、日々の改善を怠っていることの現れともいえるのだろう。

 

「参考文書」

フィジカルインターネット | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)