Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

生産の下方修正が続くトヨタ、あらわになる中国依存

 

 トヨタ自動車が生産台数の下方修正を続けざまに発表しています。上海でのロックダウン(都市封鎖)の影響といいます。24日にも6月の生産計画を発表したばかりで、わずか3日での下方修正は異例とブルームバーグがいいます。

トヨタ、6月生産計画を再び下方修正-前回発表からわずか3日 - Bloomberg

 記事によると、24日の生産計画発表後、新たに分かった部品供給の見通しを反映したといいます。上海のロックダウン継続で、生産計画はさらに下振れする可能性もあるそうです。

 中国依存のままでよいものなのか、また、これほどまでに中国に頼っていたのかと感じずにはいられません。

 

 

 コロナ渦以降、変化のスピードが加速していないでしょうか。それ以前にも問題はあったのでしょうが、ここ最近では、問題によって生じる悪影響が確実に顕在化し、対応が求められ、それによって変化せざるを得なくなっていないでしょうか。

 これまでは、世界一元気な中国の動向に目配りし、欧米によって作られるルールに則っていさえいれば、まず大きなミスを犯すことはなかったのかもしれません。しかし、近頃の国内外の情勢はそれを許してくれそうにありません。そんなことを感じずにはいられません。

中国の変調

 民泊仲介大手の米エアビーアンドビーが中国国内の事業を閉鎖するそうです。中国が続けるゼロコロナ政策の影響のようです。

エアビーが中国国内の事業閉鎖へ、コロナ巡る制限措置響く-関係者 - Bloomberg

 ブルームバーグによると、今夏に中国国内での宿泊先仲介および体験プログラムの提供を停止するそうです。ゼロコロナ政策が緩和されれば、アウトバウンド観光は持ち直す見込みといいます。コロナ禍で中国国内での事業運営が一段と困難かつ複雑になっているそうです。

 

 

 「ゼロコロナ」政策とそれに伴うロックダウンや各種規制、経済的な影響が、中国国内の消費者の家計防衛意識に影を落とすようになってきたとロイターはいいます。

アングル:「ゼロコロナ」で中国に節約志向、高級ブランドに影 | ロイター

不相応なほどの痛手を受けているのは若者で、彼らの失業率は上昇していると指摘。さらに各ブランドメーカーが近年、「爆買い」をしてくれる中国の「Z世代」を市場のターゲットとして貪欲に事業展開してきたことも問題になると付け加えた。(出所:ロイター)

 これからは、生活のバランスを取る上で、モノを買うという話には決してならず、友人や好きな人と質の高い時間を過ごすことが、社会的地位を確認する高級ブランド品(の所持)より優先されるだろうと専門家は述べているそうです。

 EC 電子商取引最大手のアリババグループが発表した2022年1~3月期決算は、売上高が9%増と市場予想を上回る伸びとなったといいますが、最終損益は約3066億円の赤字で、ゼロコロナ政策による経済活動の停滞で赤字幅が拡大したそうです。

アリババ、3千億円赤字 1~3月、経済活動停滞で - 産経ニュース

 ただ予想以上の売上増を材料にして、米国市場ではアリババ株は急騰したそうです。これを受けて、日本では、アリババの筆頭株主ソフトバンクグループ株が、5週間ぶりの高値を付けたといいます。朗報かもしれませんが、これでこの先も大丈夫なのでしょうか。

 

 

 ここ最近の国際情勢からすれば、グローバルサプライチェーンの見直しは避けられそうにありません。良くも悪くも米国次第で、何から何まで変化しなければならないようです。それに加えて、悪い円安が指摘されています。

国内ハイテク産業を「潰した」白川元日銀総裁の過ち…救世主は台湾? | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン

 かつて80円を切る円高の時期があり、このとき日本のハイテク産業が瓦解、それは当時の日銀の政策ミスによるものと、幻冬舎ゴールドオンラインは指摘しています。今はその真逆で、当時衰退したハイテクにとっては好機ではないかといいます。

 自分とは別の誰かが手を下すことで変化が起こり、その変化に上手く乗るよりは、飲み込まれてきたのがこれまでであったようです。なぜなのだろうかと疑問を感じます。自分自身の運命を誰かのせいにし、ただその流れに身を任せていたのでしょうか。

 しかし、社会は自らコントロールできないものばかりのように感じます。しかし、今起きつつある変化に対応できずにいたら、またこの先路頭に迷うことになりはしないでしょうか。ちょっと重要な時期に差し掛かっているような気がします。

 

「参考文書」

6月 国内工場の稼働について | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト