Up Cycle Circular’s diary

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【経済安全保障】こんなご時勢下におけるパナソニックの中国ビジネス

 

 国が台湾での有事を想定し、増税してまで防衛費を増額させようとします。ある程度の防衛力の刷新は必要なことなのかもしれませんが、そんな多額のお金を投入すること疑問を感じずにはいられません。

「我々は中国が失敗することを望んでいるのか」

と疑問を投げかける英フィナンシャルタイムズの記事を日本経済新聞が紹介しています。

[FT]中国の失敗を望むな 西側、「台頭管理」の政策を: 日本経済新聞

 一方で、中国の経済成長の急激な鈍化は世界のリスクとみなされているといいます。

中国の景気後退入りを願うことは、世界の景気が後退することを望むことに近い。(出所:日本経済新聞

 欧米が中国をライバル視したり、脅威とみなすのなら、当然、その国の経済が急成長することなど望みたくなずなのに、なぜか中国経済の減速は世界経済のリスクになるといいます。

 

 

中国についての2つの見方

 記事は、欧米諸国の政策立案者の頭のなかでは世界秩序に関して2つのモデルがせめぎ合っていると指摘し、グローバル化の推進を軸にしたモデルと大国間競争を軸とした新しいモデルが存在するといいます。

「豊かになった中国は脅威になりつつある」と主張するのが新しいモデルだそうです。中国政府は軍の増強に資金をつぎ込み、台湾、インド、日本、フィリピンなどを脅かす領土拡大の野望を抱いているとし、この野望が変わるか、または抑え込まない限り、世界の平和と繁栄は脅かされると主張するそうです。

 ウクライナに侵攻したロシアと中国の緊密な連携は、大国間競争のモデルが支配的になりつつあることの証明だとしているといいます。日本の主張はこれに従っているのでしょうか。

今あるがままを見て、現実的に考えれば

「米国とEUは内外に対し、自分たちの目標は中国が豊かになるのを防ぐことではないと明確に示す必要がある」と記事は主張し、「掲げるべき目標は、ますます拡大する中国の富が隣国を脅かしたり貿易相手国を威嚇したりするために使われることの阻止だ」といいます。

西側は中国が貧しくなるよう仕向けたり、中国の発展を阻止したりする政策を立案するのではなく、より豊かになり、力を増す中国が台頭している国際情勢に注目すべきだ。

中国が攻撃的な政策を追求することが魅力的でなくなる世界秩序を形作ることを目標にすべきだ。(出所:日本経済新聞

 この政策は、擁護できるうえに実現可能といいます。

 

 

 中国が世界各国と経済的なつながりを強め、一方で、米国は保護主義的なムードが強まり、特にアジア各国と重要な通商協定を新たに結べずにいるといいます。米政府の対案は一層魅力を失い、事実、ウクライナ侵攻に反対する西側の動機に深い疑念を抱く国が少なくなっているといいます。

  これが現実的なところではないでしょうか。

パナソニック

 パナソニックが今年6月をめどに炊飯器の国内生産を終了させ、中国の工場に生産を移管するといいます。

パナソニック、炊飯器の国内生産終了 中国に移管 - 産経ニュース

 国内向けは主に兵庫県加東市の工場で生産していたそうですが、国内市場の縮小が見込まれるための措置といいます。

 こんなご時勢にと感じますが、だからこそだったりするのでしょうか。

経済的な安定と成長はすべての人にとって良いことで、気候変動のような重大な問題についても有益な国際協力が進むというものだ。(出所:日本経済新聞

 また、中国現地ではコンビニエンスストア大手のローソンと連携し中国 上海市と大連市で、省エネやCO2排出量削減に注力した環境配慮型のモデル店舗を展開しているといいます。

中国で始まった環境配慮型コンビニ 日本の省エネ・リサイクル技術が大活躍 | 未来コトハジメ

 CO2排出大国の中国のカーボンニュートラル政策に協力することが、これからの協力のあり方になるのでしょうか。

 パナソニックはそれなりに賢く振舞っているように見えます。国内生産に戻すものは戻し、すべきことについては積極的に協力することも必要なことなのかもしれません。

 

 

 日本政府が、無作為に色々な政策を実行しているように見えます。その中で、防衛に関してだけは作為が働いているように見えてしまいます。それでは、緊張関係を高めるばかりで、中国の富を利用することが難しくなりそうです。もう少し賢くあるべきではないでしょうか。