Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

不穏な空気、複雑化する世界、それでもオゾン層回復のような良いこともある

 

 化学物質フロンなどによって破壊されたオゾン層が、今後数十年で修復され、完全に回復するとの見通しを国連が明らかにしました。

オゾン層、数十年後には完全回復の見通し 国連報告書 - CNN.co.jp

 記事によれば、対策が続けば、オゾン層は世界のほとんどの地域で2040年、北極では45年、南極でも66年には、1980年のレベルまで回復するといいます。

 

 

世界は改善しているのか

 30年以上前にオゾン層の破壊が話題となり、有害な紫外線による人体への影響などが危惧されました。オゾン層破壊の原因といわれたフロン全廃に向け、モントリオール議定書が発効し、99%削減されたといいます。

 やはり「ファクトフルネス」がいうように、世界は良い方向に向かっているというのが事実なのだろうかと感じます。

 こうしたことを前例にできるのであれば、気候変動の問題も同様に解決できるのではないでしょうか。

民主主義

 一方で、ロシアがウクライナに侵攻するような痛ましい出来事が生じています。未だに解決への糸口を見いだせずに、犠牲者だけが増えてしまう悲惨な状況が続いています。

 多くの国がこの争いに反対にしています。多数決に従えば、ロシアは即刻停戦すべきなのでしょう。

 また、G7など先進国、民主主義陣営は、ロシアへ制裁を科し停戦を求めています。しかし、これに賛同する国は多くはありません。

 考えさせられる事態になっています。かつて東西に分かれて繰り広げられた冷戦が終わり、民主主義こそ秩序と信じられた時代に変化が起こり始めているのでしょうか。

 

 

無意識データ民主主義

民主主義は、世界の不確実性が低く、独裁的な指導者に依存せずとも社会が回っていく時期にたまたまうまく機能した仕組みなのかもしれません。(出所:wired)

 経済学者で、イェール大学助教授の成田悠輔氏が「無意識データ民主主義」を提唱しています。

「無意識データ民主主義」という打開策:経済学者・成田悠輔と考える「民主主義の再生」 | WIRED.jp

「選挙は人間の意識的な合意形成を前提とするシステムですが、結局は周りの声や一時の情動、情報などに簡単に流されてしまいます」と指摘、「いっそ選挙の代わりに、無意識レベルの欲求や目的を集約するシステムを構築してはどうでしょうか」といいます。

 一理あるのかもしれません。安倍元首相銃撃事件以降明るみになった自民党政治の実態を見れば、民主主義の基本原則が崩れ、またその根幹である選挙も胡散臭いと感じないわけでもありません。

脱成長でよいのか

 その成田氏が、脱成長論の斎藤幸平氏と対談し、脱成長論に議論を投げかけます。

「いま、成長を作り出している経済システムが問題を抱えている」、このことにはみなが同意するのではないかと成田氏は指摘しています。「ただ、その問題が、徐々に相対的には改善されているように見える事実も明らかになってきている」とし、「今の資本主義社会のシステムも少しずつ前進している」といいます。

「希望はマルクスか、アルゴリズムか?」成田悠輔×斎藤幸平が〈22世紀の資本主義〉を語る | 文春オンライン

共産主義コミュニズムみたいな理念を掲げても、それがほんとうに前進や改善になるのか、僕にはよくわからない。(出所:文春オンライン)

 

 

 一方、斎藤氏は「無意識データ民主主義」に疑問を投げかけます。「無意識だけで動かされてしまったら全然いい社会にならないのではないか」と指摘、「資本主義に制限をかけて、はじめて無意識の民主主義だって成り立つのではないか」といいます。

 何が現実的な解なのかがよくわからなくなります。ただ「現在の成長を作り出す経済システムが多くの問題を抱えている」という現実が今、ここにあるということなのでしょう。

 常に理想を探し求めて、学び、そして、それを実践して、多くの共感を得ることができて始めて世界が再び改善を始めることになるのでしょう。

 

「参考文章」

ウクライナ戦争から考える 日本を取り巻く世界の現実|NIKKEIリスキリング