Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

悲観論漂う日本、それを動機に活かす手立てはないのだろうか

 

 自分の国のことを卑しめれることは好ましくけれども、円安がすっかり定着し、さらに下落続き、その上無策であれば、そう見られてしまうのもしかたがないのでしょうか。

「変わるという期待ができない日本」と辛辣に批判する英フィナンシャルタイムズの記事を日本経済新聞が紹介しています。

[FT]円安でも買われない企業 リスク取らぬ日本に魅力なし: 日本経済新聞

まさにこうした「雨の日」に備え、晴れた日が何年続こうとも内部留保をせっせとためてきた。企業としての野心より存続を優先するやり方を貫いてきたわけだが、海外投資家はそんな企業は求めていない。(出所:日本経済新聞

 世界的な景気後退が起きつつある中で、日本企業の多くは抱える債務は比較的小さく、多額の内部留保を積み上げてきたことから、他の国ほど大打撃は受けそうにもなく、むしろ投資家には魅力的に映るはずなのに、そうはなっていないといいます。

 ごもっともな指摘なのでしょう。

 

 

 こうした事態に、企業経営者たちが危機感を募らせ、発言し始めているようです。

 経済同友会桜田代表幹事が問題意識をまとめ、民主導のイノベーションと成長をめざす提言を発表したそうです。

同友会、年2%成長へ民主導の変革提言 問われる実行力: 日本経済新聞

提言はバブル崩壊後に経済低迷が長引いた原因は政治や行政、企業の不作為にあると指摘した。「失われた30年」は「失った30年」だと表現した。経営者については「日本再興を本気で成し遂げる気概に欠けていた」と自戒を込めて総括した。(出所:日本経済新聞

 経済の長期低迷からの脱却へ若者や女性ら多様な人材の登用やスタートアップなどの担い手の育成を掲げているそうです。また、主要7カ国(G7)の平均を上回る年2%の成長目標の実現に向けて、企業価値を高める経営者の役割の重要性も改めて訴え、「国民運動を巻き起こしたい。経営者が覚悟をもって重要な分野にヒト、金を配分することが最重要なミッション」と強調したといいます。

 経済同友会は改革志向の強い経営者が個人の資格で参加する経済団体。代表幹事の桜田氏の任期は2023年4月末までで、残り半年あまりで2期4年の任期満了を迎えるといいます。今回の提言を具体化する道筋をつけることが残りの仕事になると記事は指摘しています。

 

 

 決算会見で、日本経済の状態が嘆き、政府対応を痛烈に批判したファーストリテイリングの柳井社長は、世界で稼ぐ企業になるための構造転換を進めるといいます。

柳井正会長「安いだけの商品は売れない」 ファストリがグローバル戦略に本腰

 これまで以上にグローバルに力を入れていく。北米・欧州で継続的に事業拡大を図っていくそうです。また、新規出店を加速させるだけではなく、本社機能のグローバル化を進めるともいいます。

「グループ全体でグローバルで成長するために、ローカルの力を強化する取り組みを進めている。東京の本部が全ての意思決定をするのではなく、各国のトップや各機能の責任者がそれぞれの現場で的確な情報のもと、即断・即決・即実行で課題解決をする。GHQの経営陣は世界中を移動し、あらゆる現場に入り共に経営していく体制へと変えていく」(出所:FASHIONSNAP.COM)

 すべての企業がそうならなくてもいいのでしょうが、海外に進出していかなければ、縮小する国内市場に生き残りを賭けるようなものです。そうであれば、先は知れているとのことなのでしょう。卓越した技術をもって進出するのがいいことなのかもしれませんが、それがすべてではない、ファーストリテイリングを見ているとそう感じます。

 柳井氏は成長を目標にしているようですが、それがすべてということではないのかもしれません。

 

「参考文書」

イーロン・マスクでさえ、みんなにテスラ車を買わせるのはムリ 楠木建氏が語る、人が仕事でへこむ理由 - ログミーBiz