Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

社会課題は解決されてゆくものか、脱炭素ビジネスの社会実装

 

スマートホーム・コミュニティ」、さいたま市が推進する新たな街づくりで、街区全体で脱炭素化と強靭性を備えるといいます。この街では、51の住宅各戸の屋根に太陽光パネルが設置され、発電した電力は街区中央にある蓄電池などが設置されたチャージエリアに集約、各戸でシェアするなど、需給両面で再生可能エネルギーの利用率を最大限に高めるといいます。この事例では、街区で必要とする電力の60%を賄う計画といいます。

 こうしたコミュニティ内で再エネで発電した電気を融通し合う分散型電力システムは、災害時に系統電力から独立し自立運転することが可能で、停電に強く、またエネルギーを地産地消できるモデルといわれます。

 

 

 さいたま市の「スマートホーム・コミュニティ」の再エネ電力システムを支えているのは、新電力「Looop」の「エネプラザ」という分散型エネルギーマネジメントシステムです。

(資料:Looop

 CNET JAPANによれば、この街区における電気料金は基本料金2500円で、1kWhあたり20〜30円のダイナミックプライシングを採用しているそうです。

Looop、浦和美園で始める電気の地産地消--コミュニティ単位で再エネ活用 - CNET Japan

 各家庭にはデバイスを貸与することで、翌日の従量料金単価を前日の19時を目処に知らせ、食洗機や洗濯乾燥機など予約機能がついている電気製品を中心に、電気の使用時間における行動変容を促すといいます。

 また、街区のチャージエリアにはEV 電気自動車2台が設置され、平日は太陽光で発電した電気をためる蓄電池として機能する一方で、週末はシェアリングカーとして利用できるといいます。

 数年前まではこうした分散型システムの普及するとは想像も出来ませんでした。国の政策転換の影響もあってのことかもしれませんが、今まで以上に「社会のために」という意識が高まったきたということなのでしょうか。こうした事例が増えることで、普及に弾みがつき、また、関連する産業にも好影響を及ぼしていくのでしょうか。

 

 

 九州では、たびたび発生したメガソーラーなどにおける出力制御を低減させるため、系統用蓄電池の検討が始まったといいます。

系統用蓄電池を活用した太陽光発電の出力制御量低減に向けた共同事業の検討開始について (NTT アノードエナジー)

 この蓄電池は、 NTT アノードエナジーによって福岡県田川郡に2023 年 2 月に設置される予定といいます。4.2MWh級のリチウムイオン電池に電力変換装置など蓄電池制御システムからなり、いずれも国産メーカーが採用されるといいます。

 太陽光発電の出力制御が日本全国各地に発生するようになっています。折角の発電した自然エネルギーを無駄にしないためにも、早期の蓄電池の設置や他への転用が求められているのでしょう。また、こうしたことで国内の関連産業が活性化、雇用拡大、待遇改善につなげていくべきなのでしょう。

 

 

 シャープが、化合物3接合型の太陽電池モジュールで、世界最高の変換効率32.65%を達成したといいます。

実用サイズの軽量かつフレキシブルな太陽電池モジュールで世界最高の変換効率32.65%を達成|ニュースリリース:シャープ

 試作した太陽電池モジュールは、フィルムで太陽電池セルを挟んだ構造のため、軽量かつフレキシブルな特長を兼ね備えているといいます。高効率化と軽量化が求められるEVなどさまざまな移動体への搭載が期待できるといいます。

(写真:シャープ)

 パリ協定にもとづいた気候変動対策が求められています。脱炭素ビジネスの早期の実用化が求められ、また、その普及も進めていかなければなりません。さかんに指摘される、生産性向上、効率化、賃上げ、デジタル化、サプライチェーンの経済安全保障など様々な社会課題が、こうした新たなビジネスの創出とともに改善されるようにもしていかなければならないのでしょう。

 

「参考文書」

エネプラザが「新エネ大賞」で新エネルギー財団会長賞を受賞|株式会社Looopのプレスリリース

さいたま市/(令和3年3月26日記者発表)スマートホーム・コミュニティ街区(第3期)の整備を開始しました

新電力のループ、再生エネを街区全体で融通 停電に強く:日経ビジネス電子版