Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【脱炭素に向けて】沖永良部島のマイクログリッドとパワーシフト

 

 鹿児島県の沖永良部島で、エネルギーの地産地消に向けマイクログリッドの構築に向け検討が始まっているそうだ。

 脱炭素を実現しようとする社会が目指すべき形のひとつなのだろうか。マイクログリッドの有用性を証明するには島嶼部から導入すると理解されやすいのかもしれない。

 沖永良部島の主力電源はディーゼル発電機だという。温室効果ガスを排出し、発電機の燃料を島外から船で輸送しなければならない。それに加え、台風が接近し、海上が荒れれば、燃料輸送が滞る。また、その台風によってたびたび停電が発生するそうだ。

 小規模なエネルギー供給網があれば、停電被害が最小化でき、そのエネルギー源が再生可能エネルギーになれば、温室効果ガスを排出せずに済む。

 

 

マイクログリッド」とは、従来のような大規模発電所による電力供給に頼らず、コミュニティー単位でエネルギー供給源を持つ小規模なエネルギーネットワークのことで、これによって、エネルギーの地産地消が可能になる。

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(資料:京セラ)

 京セラによれば、沖永良部島の知名町と和泊町の3者で、包括連携協定を締結、再生可能エネルギー地産地消による脱炭素化や、災害時の電力供給、地元の雇用創出などに貢献していくという。また、再生可能エネルギーを活かしたモビリティ活用なども含まれるそうだ。

鹿児島県沖永良部島(おきのえらぶじま)でのマイクログリッド構築などに関する包括連携協定の締結について | ニュースリリース | ニュースルーム | 京セラ

本マイクログリッドは、自営線の新設は行わず、配電網ライセンス制度により既存配電網を活用することで、島を複数の領域に分けた構成でつなぎ、島全域をカバーします。各領域は、再生可能エネルギーを発電する太陽電池風力発電機、電力の需給バランスを整えるエネルギーマネジメントシステム(EMS)や蓄電池などを導入する予定です。 (出所:京セラ)

 南海日日新聞によれば、和泊町の前登志朗町長は「今回の協定を、自然と暮らしを両立させた持続可能な島づくりにつなげたい」と抱負を語ったという。

 島嶼部ばかりでなく、地域単位で導入できれば、地域の脱炭素化、レジリエンス機能の向上、発電コストの削減などにつなげていくことができるのかもしれない。

 

 

 米テスラはEV電気自動車ばかりでなく、太陽光パネルに蓄電池の製造・販売も行い、それらを活用することでゼロエミッションの移動の実現を目指す。

 CEOのイーロン・マスク氏は、自然エネルギーが主力供給源となることは可能とし、自然エネルギーと蓄電池のモデルを信奉し、その展開に力を注いでいる。

テスラはすべての家庭を分散型発電所にしようとしている | TechCrunch Japan

 家庭向けには太陽光パネルと蓄電池の組合わせでの販売を推奨し、太陽光発電所や風力発電所を建設する事業者向けには大型蓄電池を販売する。

 そのテスラが、カリフォルニアに新しい大型蓄電池の工場の建設を始めたという。

 TechCrunchによれば、イーロン・マスクCEOは、これらの蓄電池製品には「大きな需要」があるとし、大型蓄電池「Megapack」はもう来年分まで完売しているそうだ。また、家庭用蓄電池「Powerwall」の需要も年間100万台を超えると推定しているという。

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(写真:テスラ)

 ただ、量産効果を引き出すためにはまだ障害があるようだ。バッテリーセルと半導体の不足がボトルネックになっているという。

 こうした課題を乗り越えた先に脱炭素社会の実現があるのかもしれない。

 こうしたサービスや商品が安価に利用できるまでは、「パワーシフト」、電力を選択することで脱炭素に貢献できるかもしれない。

パワーシフトとは、自然エネルギーが中心となった持続可能なエネルギー社会にむけて、電力(パワー)のあり方を、変えていくことです。 (出所:パワーシフトキャンペーン運営委員会