軽EV、日産の「サクラ」と姉妹車の三菱自動車の「eKクロスEV」の評判がよいようです。車としての性能もよく、社内の狭さの指摘はあるものの、内装を含め総じてよい評価のようで、好調な滑り出しのようです。
環境意識の高まりからなのでしょうか。それともガソリン高などエネルギー危機の影響なのでしょうか。
目標台数を上回る勢い。日産初の軽EV「サクラ」が好調な理由 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
今年に入ってすでに他のカーメーカーから10台以上の新型100%電気自動車が登場している中、充電状況がまだ完全ではないにしても、サクラの受注台数をみると、ついにEVを所有してみようという時代になってきたのではないかとうかがえる。(出所:Forbes)
EV普及のきっかけとなり、弾みがつくことになるのでしょうか。
EVシフトとエネルギー危機
一方、節電に、節ガスとまでいわれるようになり、エネルギーの脱ロシアが課題のようです。足元での電力需給の逼迫を思えば、EVシフト、その普及がその足枷にならないかと危惧します。
日本の年間消費電力量は急減、電力需給ひっ迫は「タイムシフト」で解決か | 日経クロステック(xTECH)
しかし、そうならないとの意見もあるようです。その根拠は年間消費電力量が減少していることによるといいます。
EVシフトの再評価
そうはいえども、もしEVが急激に増加すれば、電力需給を不安定化させないかと不安を感じたりもします。現実、EVシフトに傾注していた欧州で、見直しの動きもあるといわれています。
先の欧州議会の本会議では、内燃機関を搭載する新車の販売を禁止する法案が可決されたといいますが、2026年に再度評価した後、成立するとの過程をとるといいます。
日経XTECHによれば、欧州委員会が2026年に、プラグインハイブリッド車(PHEV)や合成燃料(e-fuel)を含むカーボンニュートラル燃料技術の進捗を考慮して見直すことが確認されたといいます。
現実的な対応のような気がします。理念を先行させ、充電インフラなどの環境整備を先行させ、その後に、その状況と関連技術の進歩を考慮し、見直していく。想定したことが想定通りに進むことはないのですから、優先順位が調整されて然るべきなのでしょう。
脱ロシアと節電・節ガス
ロシアに揺さぶりをかけられると、エネルギー危機を意識せざるを得ません。それは世界共通なことなのかもしれません。しかし、現下の状況では、エネルギーの脱ロシア化は避け得ないことなのでしょう。
節電・節ガスへの協力は惜しむ気はありません。しかし、いつになったらエネルギー危機は解消するのでしょうか。
国の優先順位や政策を決めることは容易いことではないのかもしれませんが、それにしても何か違う方向に進んでいないかと心配になったりします。顕在する危機に対しては後手後手になりながら、憲法改正などの議論を今始める必要があるのでしょうか。
優先すべきは気候変動対策
夏や冬がやってくると、極端な気候が頻発するようになり、そのたびに電力需給の逼迫が予想されるようになっています。足元、ロシアの影響がありますが、地球が温暖化し、気候変動が起きていることが根本的な問題なのではないでしょうか。
国際社会の協力なくして、この問題の解決しないはずです。対立が解消されない限り、もっと危険が未来がやってくるのではないのでしょうか。何事もものごとを進めていくには、必要なステップと手続きが必要なことは理解しますが、その方向に向いているのだろうかと疑いたくなります。
猛暑が過ぎたと思ったら、今度の大雨です。異常気象が頻発しています。極端な暑さや寒さがやってくると、ピーク時に電力が不足しそうになります。それが現実です。今何に優先的に時間とお金を使うべきか明白なことではないでしょうか。
「参考文書」
三菱自の「eKクロスEV」試乗で感じた軽EVの可能性 | 日経クロステック(xTECH)
トヨタが水素エンジン車を市販へ、欧州勢もBEV一辺倒から変化 | 日経クロステック(xTECH)