梅雨明けを思わせるような天気が関東地方では続いています。天気図は真夏そのものです。ただ来週には太平洋高気圧の勢力がいくぶん弱まるとの予報もあるようです。梅雨明け宣言があるのか否か、気になるところです。(追記:梅雨が明けたそうです。史上最短の梅雨になるそうです)
もう梅雨明け? 厳暑続く 夜間も気温下がらず 万全な熱中症対策を 2週間天気(気象予報士 青山 亜紀子 2022年06月26日) - 日本気象協会 tenki.jp
こうした異常気象も、これからは常態化していくのでしょうか。特効薬がないだけにこの先が思いやられます。
オーストラリアで発生した大森林火災のその後
2019年、オーストラリアを猛烈な森林火災が襲い、生態系に甚大な被害を与えました。中でもコアラの被害は大きく、一部地域では絶滅が心配されるほど数を減らしたそうです。
「大火災で激変!コアラの今」 - ダーウィンが来た! - NHK
昨日放映されたNHKの「ダーウィンが来た」に見入ってしまいました。森林火災から2年、現地取材で見えてきたのは、一変したコアラたちの暮らし。わずかに焼け残った木を巡って、森のあちこちで激しい争いが頻発、新天地を求めて町に進出したコアラも急増中」とNHKはいいます。その一方で、火傷を負うなどして傷ついたコアラを野生に戻そうと保護活動も続いているそうです。
このオーストラリアでの森林火災も気候変動による異常気象、異常乾燥が原因の一つといわれています。ありきたりではあるのですが、被害を受けた自然を回復させると同時に、人為的によって生じた気候変動をどう食い止めていくのか、改めて考えさせられます。
電力需給逼迫注意報発令
一方で、この酷暑というのに、電力需給は未だ安定せず、政府が初めて「電力需給逼迫注意報」を発令しました。27日午後3時から午後6時の時間帯、できる範囲での節電を求めているといいます。もちろん、冷房は適切に使いながらとの前置きはあるようです。
電力需給ひっ迫注意報 東電管内 午後 冷房使いながらも節電を | NHK | 熱中症
NHKによれば、27日も晴天が見込まれ、正午時点では太陽光発電の出力は最大になる見通しといいます。ただ日が傾く午後5時時点では出力は3分の1以下に落ち込むそうです。東京電力では、「揚水発電」を最大限活用し、逼迫の回避を図るそうです。
この酷暑に電力不足、それに加えて価格高騰では、論理が崩壊していないでしょうか。選挙目当てなのかはわかりませんが、「節電ポイント」など姑息なことを口にするのではなく、根本的な対策を速やかに実行し、きちんと説明責任を果たさなければ、身も心も耐えられそうにありません。
EVシフト
自動車においてEVシフトが進むといわれています。しかし、EV電気自動車の燃料もまた電気で、単純に普及が拡大すれば、このままでは電力不足を助長しかねません。
自動車業界はここ最近、水素やバイオディーゼルを使って自動車レースに参戦しているようです。
フォーミュラEに軸足を傾けていたと思われた日産自動車も6月初旬に行われた「NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース」に、二酸化炭素の排出量が実質ゼロの「カーボンニュートラル燃料」を使う車両で参戦したといいます。
日産、バイオ燃料でレース参戦 エンジン開発に生かす: 日本経済新聞
使用するのは廃棄食品、木材チップなどから製造したバイオ燃料だ。製造工程でも再生可能エネルギーを使用する。
ドイツのスタートアップ製の燃料を日本産業規格(JIS)に合わせて成分を調整した。エンジンも一部改良した。現時点ではレースに限定した使用を想定しているが、蓄積したデータやノウハウはエンジンを中心とする車両開発に生かす予定だ。(出所:日本経済新聞)
日本経済新聞によると、日産のグプタCOOがレース開始に先立ち、トヨタの豊田社長を訪問したといいます。豊田社長は日産の脱炭素の取り組みについて「大変心強い。日産とトヨタが良いライバルとして盛り上げていきたい」と応じたといいます。
脱炭素からすれば、EVシフトの加速が求められるのでしょうが、その前に、現行のエンジン車を「カーボンニュートラル燃料」で使っていくことも、この電力状況からすれば、喫緊の課題なのかもしれません。
☆
年を追うごとに夏がやって来る楽しみよりも、恐さを感じるようになりました。
業界の垣根を超えて、電力需給の改善、そしてエネルギー価格の改善を可及的速やかに取り組んでもらいたい、そう願わずはいられません。
「参考文書」
日産/NMC、富士24時間レースに参戦する「Nissan Z Racing Concept」を公開
2022年富士24時間は180秒ペナルティを跳ね返したHELM MOTORSPORTS GTRが逆転勝利 | 国内レース他 | autosport web