Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

常態化する被害をもたらす大雨、次世代燃料バイオエタノールの研究も始める自動車業界

 

 梅雨に入ると大雨などの異常気象が頻発するようになりました。改めて気候変動対策、カーボンニュートラルの必要性をつくづく感じます。しかし、即効性のない活動を地道に続け、少しでも温暖化のペースを遅らせなければなりません。ただ気候が荒ぶらないよう祈るしかありません。

 国のエネルギー政策が理路整然と筋の通ったもので、カーボンニュートラルへの道程が明確で、また電力価格の安定性が保たれればいいのでしょうが、足下では電力価格は高騰を続けます。その上、夏や冬になると電力供給の余裕がなく、この夏も東京電力管内はまた節電したほうがよいと言われます。どうなっているのかと思わざるを得ません。気象が極端化しているのが目に見えてわかるようになっているのにかかわらず、毎年のように節電要請です。失政といっていいのでしょうか。

 それに加えて、原発原発というのだから、東電の主力柏崎原発が再稼働するのかといえば、不祥事続きでどうにもめどが立たないようです。こんな状態で、この先さらに増加するであろう電力需要に対応できるのだろうかと感じます。これにEV電気自動車が爆発的に普及したらと思うと、ゾッとします。

 

 

バイオエタノール

 そんな中、エネルギー会社や自動車会社が参画し、「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」を昨年設立したそうです。カーボンニュートラル社会の実現のために、自動車用バイオエタノール燃料の製造について技術研究を始めているといいます。

民間6社による「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」を設立 | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト

 この組合には、石油大手のENEOS、自動車業からはスズキ、SUBARUダイハツ工業トヨタ自動車マツダが参加し、総合商社の豊田通商も参画しています。

 組合は、非可食の植物を原料としたバイオエタノールの生産研究設備を福島県大熊町に建設、2024年10月から運転を開始する予定といいます。

(資料:花王

 バイオエタノール燃料も、カーボンニュートラル実現のための有力な選択肢の一つといわれます。すでにブラジルなどで使用され、また米国の自動車レースインディカーでもレース燃料として採用されています。

 従来は、トウモロコシやサトウキビなどの可食性バイオマスを原料として糖やでんぷんから直接エタノールをつくっていましたが、食料競合回避や安定調達の面から、農業残渣や非可食の植物といった非可食性バイオマスを原料とする「第2世代」の普及が求められているといいます。

 

 

インディカーにもバイオエタノール

 インディ500で知られる米国のインディカーレース、今年2023年から、100%バイオ燃料に切り替わっているそうです。

インディカー、シェルと提携…2023年より100%持続可能な燃料を導入 | Formula1-Data / F1情報・ニュース速報解説

 インディカーレースでは、85%のエタノールに15%のハイオクを混合した燃料が使用されていましたが、今年から石油メジャーのシェルが開発したレース用燃料が使われるといいます。

これはサトウキビの廃棄物から作られる第二世代エタノールと他のバイオ燃料を混合したもので、化石由来のガソリン燃料と比較して、温室効果ガスの排出量を60%削減する事が可能とされる。(出所: Formula1-Data )

 

 

 何においても、カーボンニュートラルが可及的速やかに達成できることが理想なことなのでしょう。しかし、課題も多く一足飛びには解決することはなさそうです。課題解決には、研究開発、技術開発が不可欠のようです。

 長年おろそかにしてきたツケが露呈しているようです。もう他人任せにするのではなく、自らできるかが問われているのでしょう。もしその開発に足りないものがあるのなら、それを有する他者と業界の垣根を越え、協調していくべきでもあるのでしょう。それが早期の課題解決につながっていくはずです。

 

「参考文書」

raBit 次世代グリーンCO2燃料技術研究組合

【着工】次世代グリーンCO2燃料技術研究組合向け 第2世代バイオエタノール生産設備 | 日鉄エンジニアリング株式会社

花王 | 自動車用バイオエタノール燃料の製造研究に向け、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合に糖化酵素を供給へ