「ミドリムシで空を飛ぶ」が、また一歩前進したようだ。ミドリムシのユーグレナ社がASTM認証に適合したバイオジェット燃料を完成させたと発表した。
それによると、年内のフライトの実現に向けて、航空運送事業者や航空局等との最終調整を進めているという。
ミドリムシで空を飛ぶ
「今後、(通常の)ジェット燃料と混合する工程を経て、5月頃を目処に供給できるようになる」と、 ユーグレナ社広報はBusiness Inside Japanの取材に、そう話したという。
ユーグレナによれば、航空機への燃料搭載のためには既存石油系ジェット燃料と50%までの混合および混合後燃料のASTM D7566 Annex6規格適合の確認が義務づけられているそうだ。
当初計画からは少し遅れがあるようだが、全体計画としてはオンスケジュールというところであろうか。
次のマイルストーンは2025年の商業プラント稼働。目標が定まれば、次々と大小様々な課題が出てくるのだろうが、それを乗り越えた先にゴールがあるかと思えば、やりがいもさらに強まるのだろう。
実用化、商用化となれば、コスト対応も欠かせない。年産25万kLの商業プラントが完成後の目標コストは100円/Lという。
目下のところ、プラント建設が最大の課題なのだろうが、サプライチェーン整備に、コスト試算などなど、やらなければならないことが山のほどあることだろう。
目標を実現しようとすることは生みの苦しみであると同時に、「0」から「1」を作る楽しさでもあったりする。そうしたことを感じているのだろうか。
脱炭素は実現できない? = 日本財団18歳意識調査
2050年のカーボンニュートラルを60%を超える若者が支持するという。
日本財団が実施した「脱炭素」をテーマにした18歳意識調査で、そんな結果になったという。
ただ、35%の若者が実現不可能だとみているようだ。
少しばかり残念な結果だと感じるが、若者がもっと希望を感じられることができる「脱炭素」事例が増えればいいのかもしれない。
二酸化炭素の排出を削減するために進めるべき取り組みは、
「再生可能エネルギーの開発促進」(66.0%)が最も高く、
2位以下を大きく引き離す。ほか
「電気自動車および蓄電池の開発促進」(36.4%)、
「家庭および企業の省エネ対策の推進」(33.7%)が上位に挙がる。 (出所:日本財団)
再生可能エネルギー だけで作る日産リーフ
「英国サンダーランド工場の再生可能エネルギー発電施設を大幅に拡張する」と日産自動車が発表した。
それによると、既存の風力発電施設と太陽光発電施設に加え、37,000枚の太陽光パネルからなる20MWの発電設備の導入、「カーボンニュートラルへの道」をさらに前進させるという。
この増設により、工場のエネルギーの20%は敷地内で作られる再生可能エネルギーで賄えることになり、欧州で販売される全ての「日産リーフ」を再生可能エネルギーで製造できる計算になります。 (出所:日産自動車)
何も政府主導で進めるエネルギー関連だけで「カーボンニュートラル」を達成できるわけではない。
ユーグレナ社や日産のような企業活動を一つひとつ積み重ねていく必要があるのだろう。
そして、そこでは若者たちの力を必要としているのかもしれない。
批判する側に回るのでなく、目標を実現する側に立って行動して欲しい、そんな願いを抱く。