Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

廃材利用で廃棄物を減らす オニツカタイガーと日産の「クローズドループ・リサイクル」

 

 サーキュラー・エコノミー、循環型経済もだいぶ認知が進んできたのではないかと感じるようになる。

 日産自動車が、北米で販売を開始する新型「ローグ」に、初めてアルミニウム製部品のクローズドループ・リサイクルプロセスを適用したと発表した。

 些細なこともしれないが、すごいと感じてしまった。

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(写真:日産自動車

 「クローズドループ・リサイクル」、生産時に発生した廃棄物やスクラップ、そして回収した自社の使用済み製品を同等の品質を維持した材料に再生し、再び自社製品の部品に採用する手法と日産は説明する。

 サーキュラーエコノミーの一角をなすといってもいいのだろう。

 

 

 電機会社に勤めている頃、苦労したのがアルミの調達だった。必要なアルミを確保するのに四苦八苦した。日々供給が途切れないかと恐々としていた。日系アルミメーカとは長くつき合ったものだ。その日系アルミメーカが日産と協業し、「クローズドループ・リサイクル」を始めたと聞くと感慨深い。

 

本気

 元々アルミはリサイクルしやすい材料とは言われていたが、製造途上で発生する端材やスクラップは有価物として処分されるのが通常だ。これらを敢えてリサイクルループに乗せようとすれば、手間もコストもかかる。それを始めるにはよほど本気度がないと達成できなかったのではと推測する。

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(資料:日産自動車

global.nissannews.com

 日産によれば、「クローズドループ・リサイクル」によって、原材料から同程度のアルミニウムを作るのに必要なエネルギーの90パーセント以上を節約することができるという。また、水平リサイクルを実現することで、新規採掘資源(アルミニウム新塊)の使用量削減に貢献するという。

日産は、2022年に生産するクルマに使用する原料のうち30%を新規採掘資源に頼らない材料に代替することを目指しているという。資源を効率的かつ持続的に使う仕組みを創造し、再生可能な資源や再生材の採用などにより資源の多様化を進めていくそうだ。

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(写真:日産自動車

www.uacj.co.jp


 当時、プラスチックスの「クローズドループ・リサイクル」について、韓国サムスン系のプラスチックスメーカと話し合っていた。

 数量がまとまらない、コストアップ、市場の機運が高まっていない、そんな理由で断念したことを思い出す。

 今こうしたプロジェクトが進められることを羨ましく思えるし、担当者はさぞ楽しんで仕事ができているのではないかと推測したりもする。今までないものを一から作り上げることほど楽しいことはないのではなかろうか。

 

 

廃材利用するオニツカタイガー

「Onitsuka Tigerオニツカタイガー)」が、新作「RECYCLED LEATHER SERIES(リサイクル レザーシリーズ)」を発表したという。

「廃材が絶妙なアクセントに」とメンズノンノはいう。

今回ラインナップされた3つのモデルはどれもアッパーにリサイクルレザー、シューレースにリサイクルPETを採用。

中でも、ブランドのアイコンであるオニツカタイガーストライプや補強パーツに採用した素材は、レザー工場で実際に出た廃材の色合いをそのまま生かしており、よく見ると黒やオレンジの斑点が混ざっているのがわかる。 (出所:メンズノンノ

www.mensnonno.jp

 

 製造工程で発生する廃材が商品に利用されることで廃棄物が少しずつ減っていく。そんなことが少しずつ積み重ねていけばいいのかもしれない。

 サーキュラーエコノミーが少しずつ浸透しはじめているようだ。

 

www.itmedia.co.jp

 

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