Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

幻滅、失望から抜け出る。今度こそ「グレートリセット」のとき

 

 今年もまた例年通りオホーツク海北岸で結氷した氷が流氷となり南下する。日本気象協会tenki.jp によると、海氷域は、北海道オホーツク海側の海岸から10~30キロメートルにあるという。週後半にかけて、さらに南下、一部で接岸する見込みだという。網走の平年の流氷接岸初日は、2月2日とのこと。 

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www.nikkei.com

 

日常化する異常

 今冬は大雪に見舞われている。JIJI.COMによれば、北極海上空の低気圧「極渦(きょくうず)」が分裂し南下したことや、偏西風が日本付近で南へ蛇行し、強烈な寒気が流れ込んだ影響があるという。北陸では1986年以来35年ぶりの大雪。新潟県上越市「高田」観測点で、平年の2倍を超えた日もあったという。

 昨夏は何十年に一度の大雨が降り、この冬は35年ぶりの大雪、異常が常態化している。もう異常と呼ばない方がいいのかもしれない。異常が日常化した世界が今ということなのだろう。

 

 

グローバルリスクと化す「若者たちの失望感」

 例年、1月に開催される世界経済フォーラムの年次総会ダボス会議が、今年はオンライン会合となり1月25~29日までの日程で行われている。それに先立ち、世界経済フォーラムは、世界が抱えるリスクをまとめた「グローバルリスク報告書」を発表した。

「今後10年間で発生する可能性が高いグローバルリスク」の上位には、極端な気象現象(1位)、気候変動対策(緩和と適応)の失敗(2位)、人為的な環境損害(3位)、感染症(4位)、生物多様性の喪失と生態系の崩壊(5位)があがる。

 また、「今後10年間で最も影響が大きいグローバルリスク」のトップには、感染症があがり、気候変動対策(緩和と適応)の失敗、大量破壊兵器と続き、4位に生物多様性の喪失と生態系の崩壊、5位、自然資源の危機となっている。この他にも、雇用や生活の危機、極端な気象現象、債務危機、ITインフラの故障などがトップ10に上る。

 報告書は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、これまで長年にわたり積み上げてきた貧困や不平等といった分野の改善が後退し、社会の団結力や国際協調を弱体化させる恐れがあると説明している。 (出所:サステナブル・ブランドジャパン)

 こうして見てみると、今まさにリスクの只中にいるということなのだろうし、それを実感しているのかもしれない。

www.sustainablebrands.jp

 

 サステナブル・ブランドジャパンは、この報告書が「広がる若者の幻滅」に1章をさいて解説していることを指摘、重大なリスクになるといい、若者の失望感が懸念されるという。

環境の悪化や長引く金融危機、時代遅れの教育制度、格差の拡大、産業構造の変化といった複雑で先行きが不透明な時代に育った若者は、コロナ危機によって就職氷河期など機会損失のあおりを受け、二重の混乱に巻き込まれている世代だという。 (出所:サステナブル・ブランドジャパン)

 

 

  今まで足元で起こっていることを思えば、指摘の通りなのだろう。

 

 グレードリセット

 昨年6月、「グレートリセット」のときと言った世界経済フォーラムのクラウス・シュワブ氏の言葉が重みをもつ。 

グレート・リセット」を追求すべき理由はいくつもありますが、最も差し迫った深刻な理由は、言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大です。

何十万もの死を招いたこのパンデミックは、近年の世界史上最悪の公衆衛生危機となりました。そして世界の世界の多くの地域で犠牲者は増え続けており、パンデミックはまだ終わったわけではありません。 (出所:世界経済フォーラム公式ページ) 

 

dsupplying.hatenablog.com

 

このことは、経済成長、公的債務、雇用、人間の幸福に深刻な長期的影響を及ぼします。さらに、既存の気候や社会課題は悪化するでしょう。新型コロナウイルス感染拡大の危機を、環境保護対策縮小への口実にする動きも見られます。

また格差の拡大といった社会問題に対する不満はますます強まっている。

こうした危機を放置することは、新型コロナウイルス感染拡大の危機とともに、さらなる危機を生み、世界は持続可能性、平等性、そしてより脆弱性をさらに低下させることになるでしょう。

私たちは、経済・社会システムのためのまったく新しい基盤を構築しなければならないのです。 (出所:世界経済フォーラム公式ページ) 

 

兆し 異常事態を抜け出るために

 2度の緊急事態宣言ということも異常事態なのだろう。が、ようやくそこから抜け出る兆しのようなものが見えてきたのだろうか。

 国内のコロナの新規感染者数が25日、3000人を切り、2764人になったという。

 NHKによれば、西村経済再生担当相が、「緊急事態宣言の対象地域で対策の効果が出始めているが、まだ新規感染者数などは高い水準だ」と会見で述べたという。「さらなる対策の徹底が重要だとして、テレワークや不要不急の外出自粛への協力を重ねて呼びかけた」という。

 明らかにダウントレンドに転じているといっていいのだろうか。何が効果的な対策だったのだろうかと思うこともあるが、一人ひとりの行動結果によるものなのだろうし、色々批判もあるのだろうけど、自治体、政府の努力もあってのことなのだろう。

 ダウントレンドにあるといっても、まだ緊急事態宣言下、まだまだ油断してはならない。

 そうは言っても、そろそろ宣言解除のタイミングも気になり出すし、その後の再発防止策も気になる。ワクチンだけに頼っていては空白の時間もあるし時間もかかる。その後の経済活動を思えば、そう悠長に時間を過ごすわけにもいかないように思ったりもする。

 特措法などの法改正も必要であろうが、あまり強く縛ることでかえって反発を招くことはないだろうか。

 

 

 何はともあれ、絶対に再拡大させないとの断固たる姿勢を見せてもらいたいものだ。

「新たな日常」も良いが、必要なことは公衆衛生を徹底していくであろうし、その向上があって収束できるという流れと雰囲気を作っていけるのではなかろうか。宣言解除までにそれが求められていないだろうか。

緊急事態宣言の繰り返しはもう許されないのだろう。繰り返しはさらなる失望につながる。この兆しを希望に変えなければならないはずだ。

 

「関連文書」

jp.weforum.org

 

 

「参考文献」

tenki.jp

www.jiji.com