米シリコンバレーの「グリーン化」が加速し、気候変動ビジネスの「最前線」となりつつあるといいます。
Newspicksによれば、世界の気候スタートアップ総数は現在2752社、このうち497社がシリコンバレーのあるカリフォルニアの企業といいます。求人数が急増し、人材移動が起こっているそうです。
どうせグリーンは、儲からない。そう思っている人は驚くと思うのですが、実際いま起きていることは、むしろ「カネを払いたくても、そのソリューションがない!」ということです。(出所:Newspicks)
GAFAMなど巨大テック企業がこの分野に熱心で、グリーン新市場を後押しする動きがあるといいます。多くの企業がカーボンニュートラルを宣言していますが、それを解決するソリューションが手元になく、それをみなが必死になって探しているといいます。
いいのか悪いのか、気候テックのストックオプションに期待して、成熟したソフトウェア産業からの人材移動が起きているといいます。
米サンフランシスコで開催された気候系スタートアップを集めた転職フェアは、大盛況で、関連転職サイトのユーザー数は、わずか2年で50万人を超えたそうです。
随分様変わりしていそうです。
仏の石油メジャーのトタルエナジーズも外部企業と組み、化石燃料に頼らない事業への転換を進めているといいます。
仏トタルエナジーズ、脱「化石燃料依存」へ連携拡大: 日本経済新聞
既存の化石燃料のバリューチェーンでは出資や提携、買収を進めて持続可能性を高めると同時に、新たな事業分野も探っているそうです。
CCUS(二酸化炭素の回収・利用・貯留)では多くの共同プロジェクトに参画し、食品メーカーとリサイクル素材の開発にも取り組む。電気自動車(EV)分野では、複数の企業を買収し、充電網を広げている。水素でも製造施設建設や関連企業への出資をしている。(出所:日本経済新聞)
気候テックに注目が集まっている証なのででしょうか。脱炭素に取り組む企業が増えれば増えるほど、さらなる過熱を呼び起こすことになりそうです。
「脱炭素」に関して出遅れている感が否めない日本企業ですが、どこまで挽回できているのでしょうか。
新電力のLooopも発電事業に乗り出すようになり、風力発電所の建設を始めています。また、独Heliatek社の有機薄膜太陽電池を国内で独占販売するといいます。
Looop、軽くて薄くて曲げられる有機薄膜太陽電池「Heliatek」販売--設置の適地拡大へ - CNET Japan
Heliatek社の有機薄膜太陽電池「Heliasol」は、軽量で曲げられるフィルム形状の太陽電池で、湾曲した屋根や壁面などに設置ができるといいます。同様の特長を持つ「ペロブスカイト」太陽電池も注目されていますが、まだ商品化には時間がかかる見込みといいます。この薄膜太陽電池はどこまで普及していくことになるのでしょうか。
Heliatekは2006年に設立された有機薄膜太陽電池のリーディングカンパニーだそうです。これを販売するLooopは、2011年の設立された新電力の会社です。
日本の気候テックスタートアップはどこまで育っているのでしょうか。ちょっとドイツが羨ましく見えてしまいます。
「参考文書」
【秘伝】Yコンビネータが教える、すごい気候テックの「作り方」
LooopがHeliatekの有機薄膜太陽電池を国内独占販売 | Looop(ループ)
「ウィンドファーム豊富」の工事着手 ~北海道天塩郡豊富町における陸上風力発電事業の推進~ | Looop(ループ)