Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

伸びるコーポレートPPAを利用した太陽光発電、沈む国産太陽電池、その矛盾はなぜ

 

 脱炭素はビジネスにおけるゲームチェンジなどとの言葉を耳にします。ビジネスの価値観が変わり、それによって気候変動の問題が解決に向かい、なおかつ経済が上向いていけばいいのでしょう。しかし、なかなかそう実感できないのが今の日本社会ということでしょうか。

 ネガティブなことを並びてるつもりはないのですが、将来不安、上がらぬ賃金、少子高齢化などなど。脱炭素とはいわれるものの、太陽電池から撤退する国内メーカ、デジタル社会というものの、基幹インフラは外国頼みで、対内直接投資は世界最下位というのだから、もう目も当てられないほどの状態にみえてしまいます。それでもGDPは世界3位で好調な産業もあるのだから、悲観し過ぎることはないのかもしれません。

 

 

国産太陽電池は復活できないのか

 かつて日本製の太陽電池の出荷量は世界1位で、ピークだった2003~04年には世界シェアの52%を占めていたといいます。しかし、2007年に欧州に抜かれ、2009年には中国に抜かれ、それ以降、見る見るうちにシェアが下落していったといいます。

ソーラーフロンティア生産撤退で「日の丸太陽光」は風前の灯 | 日経クロステック(xTECH)

 米国は2018年、結晶シリコン太陽電池の輸入製品に対し関税を導入し、バイデン大統領も、国内製造業を保護しています。

 政府政策として、国内製造を促すインセンティブと国産のセルとパネルの購入を促すインセンティブといった供給と需要側両面への優遇のアプローチを使う時かもしれないと日経XTECHはいいます。

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伊藤忠商事が国内に5000か所の太陽光発電所を新設へ

 伊藤忠商事がクリーンエナジーコネクトに出資し、企業に電力を長期供給する国内で最大規模のコーポレートPPA運営事業者を目指すと発表しました。

 2025年までに全国の遊休地5000カ所で小規模発電所を新設、太陽光発電による電力供給体制を構築するそうです。発電規模は合計約50万キロワットと火力発電所1基分に相当するといいます。

伊藤忠、全国5000カ所で太陽光発電 企業に長期供給: 日本経済新聞

 伊藤忠商事によれば、脱炭素社会への移行にあたって、環境価値のあるグリーン電力の供給が求めら、FIT制度に頼らず、企業が自社専用の再生可能エネルギー発電所を新しく作るなどの動きが、国内外の企業で広がっているそうです。

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(資料:伊藤忠商事

 この先も、オンサイト型(屋根置き)とオフサイト型の太陽光発電所の両面で、国内の再生可能エネルギー分散型電源の普及を進めるといいます。

 

 

ゲームチェンジのとき

 国内外において、多くの企業が脱炭素に取り組むようになり、その中からはRE100に参加する企業が増えていく。そうなればますますコーポレートPPAの需要は高まるのかもしれません。そうであるなら、商社自ら太陽電池の調達にも投資してもよいのではないでしょうか。スマイルカーブのおいしいところだけを抑えるのではなく、バリューチェーン全体の最適化に取り組んでいくべきなのではないでしょうか。それによって、太陽電池産業が息を吹き返し、国内に付加価値を還元するようにすべき時が来ていると思います。伊藤忠自身が指摘するように国内外に需要があるのであれば、なおさらのことのように思われます。まして世界には未だ無電力地域があり、電気を求めている人が大勢います。この事業化こそが商社の本分であり、また、伊藤忠がいうSDGsの理念にも合致するのではないでしょうか。

 今まで説かれてきたスマイルカーブ理論に従った発想だけではゲームチェンジは起きないように感じてなりません。