Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

サーキュラーエコノミーで脱石油を目指すとき

 

 ロシアによる戦渦がエスカレートしている。西側諸国が主導して警告を発し、経済制裁を強化し、戦争を止めようとする。困難が伴うが脱ロシア、石油や天然ガスなど資源のロシア依存を減じさせていかなければならないのだろう。

 国際秩序の枠組みからどこかの国を排除することは好ましくはないのだろうけど、規範を犯し、ルールを破り、非人道的な行為を続けるのであれば、それを正すためにはやむなしのかもしれない。

 

 

 これまでに気候変動のために「脱炭素」を進め、循環型社会を標榜しサーキュラーエコノミーを推進、人権擁護のためにトレーサビリティを発展させてきた。これからもますますその推進が求められる。今はそれが直接的にも、間接的にも脱ロシアに貢献し、戦争の停止にも役立っていくことになるのかもしれない。

脱石油とサーキュラーエコノミー

 伊藤忠商事がサーキュラー・エコノミーの実現に向け活動を強化している。リユースやリサイクルなど資源循環型ビジネスを展開する㈱ecommitと業務提携し、繊維製品の回収サービス「Wear to Fashion(ウェア・トゥ・ファッション)」を展開、今年2022年春から、全国の事業者や自治体を対象にサービスの提供を始めるという。

サーキュラー・エコノミーの実現を目指す繊維製品回収サービスの展開について|プレスリリース|伊藤忠商事株式会社

 伊藤忠商事は2019年春、使用済みの衣類や生産工程で発生する端材などをケミカルリサイクルでリサイクルポリエステル素材として再利用する「RENU(レニュー)プロジェクト」を始めた。

 その取り組みをさらに強化・推進するために、㈱ecommitの回収から資源循環までの仕組みを融合するという。この新たな枠組みでは、小売店自治体で回収した使用済みの衣類、事業者にて発生する繊維廃棄物などを回収・選別し、再利用・再資源化を図るという。

リユース可能な製品はecommitのノウハウを活用してリユースし、リサイクル可能なポリエステル製品は「RENU」の原材料とすることで、廃棄される繊維製品を可能な限り削減すると同時に、繊維・ファッション産業におけるライフサイクルの長期化を促し、資源を有効に活用します。(出所:伊藤忠商事

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(資料:伊藤忠商事

 捨てられるごみを資源に転換できれば、新たに投入が必要となる資源量を減らすことができる。化学繊維の原料である石油も減らすこともできるのだろう。これに加え、廃棄処分も減らすことができそうだ。

 

 

 戦争を止め平和を維持していくためにも、地球温暖化を止め気候変動を抑制していくためにも、地道に活動を続け、協力・協働を生み、そうすることでルールを作り、倫理・規範を育てていかねばならないのだろう。

 伊藤忠商事の場合と同じように、それをビジネスに転換し、普及に努めれば、いつしか価値転換が起こり、目標に一歩一歩近づいていく。問題を起こし排除されている国にも参加を促し、地球規模の課題として解決していかなければならない。

 制裁という行為は不可避なものだろうけれども、それと同時に新たな秩序を作り、その仲間を増やしていくことも欠かせないアクションではなかろうか。

 エネルギーを牛耳ることがすべてであるというような価値は、もう不要になっていることを共有していかなければならないのだろう。