「ミドリムシで空を飛ぶ」がまた一歩実現に近づいたようだ。ユーグレナによれば、ミドリムシ由来の油脂から作られたバイオジェット燃料での初フライトが実現した。
羽田空港から飛び立ち、2時間30分程度飛行したとそうだ。ユーグレナのバイオ燃料を搭載したのは、国土交通省が保有する飛行検査機サイテーションCJ4。飛行検査業務を実施した後、中部国際空港に着陸したという。
視察した赤羽国土交通相は、「カーボンニュートラルが我が国最大の国際公約である中、運輸セクターとしても、CO2排出削減は一番大きなテーマ。その観点から、今日、航空機におけるバイオ燃料の使用が実施されたのは良いこと」と、普及促進についてコメントしたそうだ。
ユーグレナの初飛行があったこの日4日、「エネルギー白書」が閣議決定された。
白書は3部構成。第1部では「エネルギーをめぐる状況と主な対策」とし、「福島復興の進捗」、「2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と取組」などがあがり、第2部ではエネルギー動向、第3部施策集との構成になっている。
「福島復興の進捗」では、「2021年3月は東京電力福島第一原発の事故から10年の節目、福島の復興は一歩一歩進展するも、まだ多くの課題が残されている。改めて二度とあのような悲惨な事態を引き起こしてはならないことを再確認する必要があるとし、今後も、東京電力福島第一原発の廃炉と福島の復興に全力を挙げる」と記している。
白書の第2部では、民間でも脱炭素化に向けた取組が加速し、金融ではESG投資の増加と投資戦略の多角化、非金融ではRE100など自主的に脱炭素化を宣言する企業が増加していると指摘する。サプライチェーンの企業に対しても脱炭素化を求めるケースも(クレジットも利用しながら目標を達成)あるとし、脱炭素エネルギーへのアクセスが立地競争力(国‐国/都市‐地方)に影響するという。
第3部では、定量評価が示された。
エネルギー自給率が他国に比べ低く気がかり。再エネが大量導入となれば、この指標値は改善されていくのだろうか。
一方、国の成長戦略案からは、「原子力発電を最大限活用していく」との文言が削除されたという。
共同通信によれば、小泉環境相や河野規制改革担当相らが反対したことによるものだという。
原子力も実用化され、長い年月が経ち、その問題点が明らかになった。いつまでも成長分野ということはもうないのだろう。
この産業に携わる人々の本音はどこにあるのだろうか。「原子力はもううんざり」と思ったりはしないだろうか。企業人や官僚としての論理ではなく、自分の素直な感情と向き合って論議すれば、それが世論を反映することになったりしないだろうか。
今日6月5日は世界環境デーだという。今年は「生態系の回復」が掲げられ、国連では、この先2030年までの10年を「生態系回復の10年」としているという。
その「世界環境デー」を前に、日常でできるSDGsアクションを考えるきっかけとなるよう、伊藤忠商事が新聞紙面に広告を出した。
SDGsと向き合うときは、意識高い系って言葉から離れてみよう。
いきなり電気自動車を買わなくても、長持ちする電球をえらぶことでもいい。
冷蔵庫には詰め込みすぎない。乾燥機よりお日様のエネルギーで干す。
日常の、すぐできることを快適なバランスで。
NHKによれば、UNEP国連環境計画などは、緑化活動による森林の回復や、漁業で言えば漁獲量の適切な管理といった持続可能な食糧生産など幅広い対策を求めているという。身近な所で、なるべく地元で取れる旬のものを中心にした食生活にしたり、ごみを減らす、といったことも生態系保全につながるという。
最近はニュースでもSDGsをよく見るようになった。何か意識の変化はあったのだろうか。
変わり始めたものもあるようだ。こうしたことがきっかけになり、SDGsが真に根付けば、理不尽なことももしかしたら、減っていくのかもしれない。