Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

定着するリサイクル、廃ペットボトルリサイクルに公正取引委員会の調査

 

 ペットボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」が活発になり、廃ペットボトルの争奪戦が起き、いよいよ公正取引委員会が乗り出し事態になっているといいます。

廃ペットボトルリサイクルで“争奪戦” 公取委が実態調査「独占懸念」 | 毎日新聞

 記事によれば、公取委が、廃ペットボトルのリサイクルに関する実態調査に乗り出し、廃ペットボトルの流通に関する独占禁止法上の課題を洗い出すそうです。

 

 

改変されるリサイクルの枠組み

 これまで、家庭から出る廃ペットボトルは「容器包装リサイクル法」に基づいて自治体が回収し、その多くを公益財団法人「日本容器包装リサイクル協会(容リ協)」が引き受け、リサイクル業者に再生プラスチック原料として売却していたそうです。

 そこに「ボトルtoボトル」の波が押し寄せ、サントリーなど飲料メーカが自治体から直接回収するなどケースが現われ、これに「容リ協」が懸念を表明していたといいます。

 記事によれば、公取委は、この主張が、民間企業の新たな取り組みへの圧力となってしまうことを懸念、「一部の企業・団体がリサイクルの流れを独占しているとすれば問題、民間の競争が働いて円滑にリサイクルが進められるようにしないといけない」としているそうです。

 リサイクル定着のために始めた官主体の枠組みも時が経てば、弊害になるということなのでしょうか。既得権益として保護することなく、民への移行で効率化、色々な面での経費節約につなげるべきなのでしょう。

(写真:伊藤忠商事

 もっともっと多くの企業が様々なリサイクルに参入するようになり、その枠組みが整流化されれば、効率化が進んでいくのではないでしょうか。そして、それが天然資源の使用を最小化し、また、それを通して製品価格の安定化、低廉化につながって欲しいものです。

 

 

ファッションロス削減、拡大するリサイクルポリエステル素材

 伊藤忠商事が、リユースやリサイクルなど資源循環型ビジネスを展開する㈱ecommitに出資し、日本市場における繊維製品の回収サービス「Wear to Fashion(ウェア・トゥ・ファッション)」の活動を強化、リサイクルポリエステル素材「RENU」事業を拡大させていくといいます。

伊藤忠が「リサイクル企業」への出資で見出す商機 | ニュース・リポート | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

出資を受けるエコミットの川野社長は、「(2022年度600トンの)衣服回収を2024年度には6000トンに増やし、ファッションロスの削減を目指す」と力を込める。(出所:東洋経済オンライン)

 記事によれば、エコミットは、建設機械や家具・家電などのリサイクル、リユースも展開し、回収物の種類や重量、回収ルートなどをデータ化し、CO2(二酸化炭素)の排出量を可視化するシステムも開発しているそうです。

E-waste、世界で最も増えている廃棄物

 伊藤忠商事はこの他にも、アフリカの携帯端末等の電子廃棄物を回収しリサイクルするオランダのClosing the Loop社(CTL)と提携し、国内の携帯端末1台の販売毎にアフリカの携帯端末1台をリサイクルするプログラム「E-waste Compensation」を法人向けに提供するといいます。

 

 

 伊藤忠商事によれば、CTLは、途上国において、野焼きなどの危険な処理から得られる報酬以上の価格で携帯端末の買取・回収、現地の労働環境改善を支援し、回収した端末はEU圏内でリサイクルするそうです。

(写真:伊藤忠商事

 国内携帯電話メーカーのFCNT㈱はこのプログラムを、NTTドコモで2月10日から発売となるFCNT製の新機種「arrows N F-51C」に適用、1台の販売ごとに、アフリカで廃棄されている携帯電話1台をリサイクルするといいます。

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 地道に続けられるリサイクルが気候変動やSDGsに貢献するばかりでなく、バリューチェーンの再編を促し、物価高騰の抑制や経済安全保障にも役立つと認識し、より一層加速していくことが望まれます。

 

「参考文書」

国内の携帯端末1台毎に、アフリカの携帯端末1台をリサイクルするプログラム「E-waste Compensation」の提供を開始|プレスリリース|伊藤忠商事株式会社

資源循環型ビジネスを展開する株式会社ecommitへの出資について|プレスリリース|伊藤忠商事株式会社