Up Cycle Circular’s diary

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【ブルーカーボン】世界自然遺産の島 奄美大島でマングローブ植林を始める伊藤忠商事の脱炭素アクション

 

 伊藤忠商事奄美大島宇検村(うけんそん)が、マングローブ植林の取り組みを開始することで合意したといいます。

 伊藤忠商事によれば、本プロジェクトによって吸収されるCO₂を、国土交通大臣認可法人である「ジャパンブルーエコノミー技術研究組合」が発行する「Jブルークレジット」として、日本で初めてのマングローブ由来のクレジット認証を受けることを目指すといいます。

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奄美大島は、今年7月に開かれたユネスコ世界遺産委員会において、世界自然遺産として登録されました。奄美大島の西岸に位置する宇検村では、多様な生物が息づく豊かでかけがえのないふるさとの自然を、次世代を担う子供たちが誇りを持って愛せるものとして守り育てていく取り組みを進めており、その一環として、子供たちが育てたメヒルギの苗を使ったマングローブ林の植林活動を実施しています。 (出所:伊藤忠商事

 

マングローブ林は「海のゆりかご」と呼ばれ、水辺に住む生物の生息地となるだけでなく、その葉や果実は生物のエネルギー源となり、生物多様性保全に貢献しますと伊藤忠商事は言います。奄美大島ではノコギリガザミ、ミナミトビハゼなどの生物がマングローブ生態系に生息しているそうです。

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 伊藤忠商事によれば、マングローブは、濃密に発達した細根が常に伸長と枯死を繰り返すこと、また枯れ落ちた枝葉が泥炭となり蓄積することで、土壌中に高密度の炭素を隔離することから、単位面積あたりのCO₂吸収量が多いといいます。マングローブのような海の生態系によって隔離される炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれ、新しいCO₂吸収源として期待されているそうです。

2009年10月に国連環境計画(UNEP)の報告書において、海洋生態系に取り込まれた(captured)炭素が「ブルーカーボン」と命名され、吸収源対策の新しい選択肢として提示 (出所:国土交通省

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(資料:国土交通省

 伊藤忠商事は社会貢献活動基本方針のひとつに環境保全を掲げ、このプロジェクトでは生物多様性保全に寄与するといいます。そうなのであろうけれども、もっと素直に伝えてもよいのではないでしょうか。

 マングローブ植林を通じた「CO₂クレジット」が収益になり、それがビジネスになるか、検討していく。

 環境保全がビジネスになるというと、誤解があるのかもしれませんが、二酸化炭素を取引対象としてビジネス化し、温暖化対策、脱炭素に役立てると明確に伝えて欲しいものです。

 

 その伊藤忠商が、分散型電源とその関連機器のサブスクリプションサービスを始めるといいます。

 それによると、NFブロッサムテクノロジーズ社と共同で開発・販売する家庭用蓄電システム「Smart Star」を、東京センチュリーと共同で設立した「株式会社IBeeT」を通じてサブスクリプションサービスで提供するといいます。

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(資料:伊藤忠商事

各家庭の電力需要パターンを人工知能(AI)で学習し、太陽光や深夜の安い電力を活用した蓄電池放充電の最適化が実現でき、2021年6月末時点で累計販売台数4.5万台(約450MWh)を突破しています。(出所:伊藤忠商事

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 こうした分散型電源の動きが標準化されるといいのかもしれません。そうすることで既存の送電線のあり方を見直す機会になるのではないでしょうか。

 ビジネスにおいては何はともあれ早く行動したものたちが大きなシェアを獲得できるといいます。こうした脱炭素につながる領域で、適正な競争が起きて欲しいものです。

 

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