Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【脱炭素】なぜ再エネ開発計画の撤回が相次ぐのか、意識してみたいアート&サイエンス

 

 希少な動植物が生息していたり、原生林が残っていたりするなど、生物多様性保全に貢献していると認められる森林や里山などを所有する民間事業者を対象に、不動産取得税や固定資産税などを軽減することを環境省が検討していくことになるといいます。

生物多様性保全で税制優遇 民間の森林、里山対象―環境省:時事ドットコム

 昨年のG7サミットで、2030年までに陸地と海域のそれぞれ30%上を健全な生態系として保護する目標「30by30」に合意したといいます。

 これを受け、国立公園や国定公園のエリアを拡充する方針を決めたそうですが、これだけでは不十分なため、民間の森林や里山保全する取り組む必要が生じているようです。

 

 

 一方で、カーボンニュートラルに向けては再生可能エネルギー開発の必要性は増し、様々な開発が進められていますが、乱開発や不十分な検討などで開発プロジェクトが頓挫するケースが増えているようです。

関電に続き日立造船やオリックスも、風力発電「中止ドミノ」(前編) | 日経クロステック(xTECH)

 日経XTEWCHによれば、東北地方で風力発電事業の中止が相次いでいるそうです。

関西電力宮城県川崎町の計画を撤回し、日立造船福島県昭和村などの計画を、オリックス宮城県石巻市などの計画を、それぞれ白紙に戻しているといいます。

風力発電の適地が多いとされる東北では、各地で多数の事業が計画されている。

しかし、環境影響評価(アセスメント)の手続き中に、環境や景観への影響を懸念する地元の自治体や住民から反発を受けるケースが珍しくない。事業者がトラブルを避けるには、事業区域を慎重に選定し、地元の理解を得るための丁寧な取り組みをする必要がある。(出所:日経XTECH)

 自然環境保全と事業開発の両立はこれまでの概念からすれば困難なことかもしれません。

 脱炭素という社会の要求に従ったつもりで事業を優先しますが、それがトラブルの元となり、新たな社会問題と化していく。少々愚かなことにも思えます。

 こうした企業の対応にはうんざりしますが、企業の自己評価はどうなのでしょうか。再発防止がどこまで真剣に検討されているのでしょうか。

もうそろそろその古めかしい考えを最新化していくときなのかもしれません。

 

 

 バイオマス発電においても同類の問題が起きているようです。海外から輸入する木質バイオマス燃料の価格が高騰し採算性が悪化、大型のバイオマス発電計画を中止するケースが増えているそうです。

気候革命:大型バイオマス発電、相次ぐ計画中止 輸入頼み燃料、価格2割増 | 毎日新聞

 毎日新聞によれば、国内で稼働しているバイオマス発電所の発電容量は、原発約5基分に相当する約530万キロワット。しかし、大規模な木質バイオマス発電所では、地元の国内材だけでは燃料をまかなえず、海外からの輸入に頼っているといいます。

化石燃料のみならず、再生エネでも海外依存の危うさが露呈した日本

加えて、気候変動対策や持続可能性の観点からも大型バイオマス発電は岐路に立たされている。(出所:毎日新聞

 規模を求めず地産地消の電源にすれば、済むことのように思いますが、今まではそういう発想がなかったということでしょうか。

 これまでのような常識にとらわれた経済性重視だけでは、もう事業が成立しにくくなってきているということが明らかになったということではないでしょうか。

 論理だけでは説明できない気づきが必要なのかもしれません。それはアート思考ということなのかもしれません。