Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

進み始めた非化石への転換、課題を克服して持続可能な社会へ

 エネルギー価格の高騰が続き、政府は原発の新増設を推進しようとしています。 

 そんな中、日本でも大規模な洋上風力発電が稼働し始めているといいます。

(写真:丸紅)

 秋田沖の洋上風力発電所能代港に続き、秋田港でも1月末から商用運転を始めたそうです。発電容量は合計約14万キロワット、約13万世帯の一般家庭の電力をまかなえるといいます。

国内洋上風力、ようやく始動 コスト減へ人材や規制の壁 - 日本経済新聞

 現状1キロワット時の価格は約30円で、世界標準の3倍近い水準になっているといいます。欧州に比べて導入が遅れたことでコストダウンが進んでいないようです。

 国はこの価格を35年までに8〜9円まで下げる目標を掲げているそうです。

 立ち上がったばかりの産業ならでは問題として、専門人材不足に加え、規制にもまだ問題が残っていると記事は指摘しています。喫緊の課題というところでしょうか。

 

 

 この秋田沖の風力発電を主導した総合商社の丸紅は、世界のあちらこちらで「サスティナビリティ」に関する投資を積極的になっているようです。従来の天然資源開発から様変わりしていると感じます。 

加速する人工原油「合成燃料」

 石油元売り大手の出光興産もまた「サスティナビリティ」投資に大きく舵を切っているようです。

 北海道製油所を置く苫小牧では、「人工的な原油」と呼ばれ、既存の自動車や航空機などに使用できる「合成燃料」の実用化を見据えた事業を展開しているといいます。その原料はCO2と水素、水素は再エネを使って水を分解して作られるそうです。

出光、苫小牧で「合成燃料」実用化へ 原油に代わる次世代エネルギー 30年までに供給網構築目指す:北海道新聞デジタル

再エネ由来の合成燃料のガソリンや灯油をつくり、皆さんの生活を支える。2030年までに、小規模でもモデルを確立したい。(出所:北海道新聞デジタル)

 記事によれば、新千歳空港や大規模工業地帯など、需要と供給が見込める施設が立地する好条件を生かし、2030年までに製造や流通の供給網を構築したい考えといいます。また、一部既存設備も活用ができ、また専門職の人材も活かせる利点があるそうです。

 大規模化を進め低廉化を図り、既存の化石燃料にも負けない新たなエネルギー源に育てるべきものなのでしょう。また脱炭素化が経済安全保障にも役立ち、またエネルギー価格の安定化に貢献することを証明して欲しいものです。

 

 

バイオマス素材

 出光興産はバイオマス原料にも力を入れているようです。J-オイルミルズと共同で、サーキュラーエコノミーの実現に向け、バイオマス事業の構築に関する検討を行うといいます。また、東レとはバイオマスナフサを原料としたプラスチックスサプライチェーンを構築するといいます。

バイオマスナフサ」は、従来の石油由来のナフサと異なり、植物由来の原料から製造されます。「ナフサ」は、原油から得られる最も軽質の液体で、粗製ガソリンとも呼ばれるものです。ガソリンの原料になったり、化学繊維やプラスチックスの原料にもなります。

出光興産と東レ、国内初となるバイオマスABS樹脂のサプライチェーンを構築 | ニュースリリース | 出光興産

 スチレンモノマー(SM)も生産する出光興産が、マスバランス方式でバイオマスSMを製造し、プラスチックスメーカーである東レが、これを原料にして、バイオマスABS樹脂を製造するそうです。製造開始は2023年10月の予定で、日本国内でのバイオマスABS樹脂製造は初めてとなるといいます。ABSは家電などに多く使われているプラスチックスです。

 

 

持続可能な社会の実現に後ろ向きだったように見えていましたが、前に向きになってきたのでしょうか。過去に回帰することなく、また惑わすような異論に流されず、前に進めていくことができるのなら、社会の雰囲気また変わっていくのではないでしょうか。

 

「参考文書」

秋田県秋田港及び能代港における洋上風力発電プロジェクトの全面商業運転開始について

出光興産、北海道電力、JAPEXの3社が北海道・苫小牧エリアにおけるCCUS実施に向けた共同検討を開始 | ニュースリリース | 出光興産

出光興産とJ-オイルミルズによるバイオマス事業構築に関する共同検討について ~「油(あぶら)」を接点とした共創により、サーキュラーエコノミーを実現~ | ニュースリリース | 出光興産