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【深刻な人手不足】苦境の観光業界で進み始めた業務の効率化、DXに生産性の向上

 

 急激に需要が回復している観光業界で、人手不足が顕著になっているそうです。

 求人しても集まらず既存の従業員で現場を回わざるをえず、人手が足らず、施設の半分が休業させる宿泊施設もあるといいます。

ホテルや旅館が人手不足でパンク状態 長引いたコロナ解雇の落とし穴 - 産経ニュース

「需要が回復しても機会損失で業績が上向かない宿泊施設は多い」。

 記事は宿泊施設における様々な取り組みを紹介しています。

 

 

生産性向上に取り組む星野リゾート

 星野リゾートは、限られた人手で「生産性」を最大限に高めることを追求しているといいます。

宿泊客用のパジャマのたたみ方からレストランの皿一つまで細かなことも現場の声で改善。そうすることで少人数で回せたり、迅速な対応ができるようになったりしたことも多い。(出所:産経新聞

 記事によれば、社員がアイデアを持ち寄ったり、気づきがあれば、その場で議論を始めることもあるそうです。サービスの質が向上し、売上の拡大に寄与、限られた人員で回すことができれば生産性は向上します。

「三人寄れば文殊の知恵」、みなが協力することから「チエ」が生まれます。それを文書化、ルール化することで、属人的だった「チエ」がみなの財産になります。未経験の人でもそれを使うことで、経験者と同じような仕事が短期間にできるようになっていきます。

技能実習

 海外からの技能実習生を受け入れ、フロントやレストランのスタッフとして活用したいと考えるホテルもあるといいます。

円安の進行により賃金が目減り、日本で働く魅力が下がっている」ため、優秀な外国人材を獲得するには賃上げや労働環境の改善が欠かせない。(出所:産経新聞

 あれこれと手を打たなければ、人手は確保できず、人手がなければ宿泊施設としては機能せず、業績に影響してしまいます。人手確保のために、労働環境が改善され、また確かな賃上げにつながっていけばいいのでしょう。

 

 

DX デジタルトランスフォーメーション

 宿泊施設における業務効率の向上のため、JTBが新たなデジタルツールを開発したといいます。

ホテル・旅館など宿泊事業者の生産性向上に向けたデジタル化を支援 宿泊業界初 「JTBデータコネクトHUB」11月30日よりサービス提供を開始|株式会社JTBのプレスリリース

 チェックアウト精算時のフロント人員の削減に役立つといいます。

(資料:㈱JTB

  宿泊施設の基幹システムと、自動チェックインや自動精算機などを「JTBデータコネクトHUB(ハブ)」で連携させることができるようになるといいます。

 これにより宿泊事業者の生産性の向上やコスト負担低減に加え、宿泊客の利便性向上といったデジタル体験価値の向上につながるシステムといいます。

(資料:㈱JTB

ネガティブスパイラルからポジティブループへ

 コロナ渦、記録的な円安、国際情勢の変化に伴うエネルギー価格や原材料価格の高騰に人手不足など様々な災厄が襲いかかってきています。

 しかし、困れば「チエ」が浮かぶということなのでしょうか。

 これまでがぬるま湯につかっていたようなもので、労せず商売ができていたのかもしれません。今がある意味、正常なのかもしれません。

 

 

 少しばかりの労苦があると仕事にもちょっぴり緊張感が走り、そこから様々な改善が生まれ、それが労働環境をより良いものに変えていくのでしょう。また、そうすることで業績も改善し、またそれが次の賃上げにつながっていくのかもしれません。

 ネガティブスパイラルを脱し、ポジティブループの始まりです。

 こうしたことの中から、イノベーションもまた萌芽するのかもしれません。