Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【景観を保ってこその環境配慮】無秩序な太陽光発電の乱開発に歯止めを

 

 カーボンニュートラルという新たな価値観によって、気候変動に歯止めがかかり、なおかつ産業界が活気づけば、それはそれでよいことなのかもしれません。しかし、それによって、頻発するようになった異常気象による災害の脅威になるようであれば、許しがたいことではないでしょうか。

5万枚のパネルに囲まれ メガソーラーから濁流 「命の危険感じて転居」|【西日本新聞me】

 福岡県飯塚市の白旗山の裾野に広がる新相田地区、土がむき出しの斜面に約5万4000枚(総出力2万1600キロワット)もの太陽光パネルが並び、住宅地を取り囲んでいるといいます。

新相田地区の梅田将実さん(71)宅では、東西と北の3方向の窓からパネルが並ぶ斜面が目に入る。

「怖くてたまらない。大雨が降れば、昨年の熱海のような土石流が起きるかもしれない」。パネル設置のため、盛土で谷を埋める造成工事を目撃した。梅田さんは「明確な土砂崩れ対策の説明も受けていない」と不満を募らせている。(出所:西日本新聞

 異様な光景、開発者には住民の心理が理解できないのでしょうか。

 

 

何か規範が崩れているようで、強く不安を感じます。

 西日本新聞によると、福岡県森林審議会委員で、福岡県築上町の新川久三町長は「森林法の規定を満たせば開発を認めざるをえない。住民の不安にどう対処するか、国は規制の在り方などを考えるべきだ」と話しているそうです。

 ESGの概念が定着しはじめ、また現実に気候変動の脅威を感じるようになってきているにもかかわらず、法規制がないと、無秩序に開発されてしまう現実に驚きます。

 気候変動の問題は他人事で、まだ自分事にできていないのでしょうか。迫りくる脅威を脱炭素ビジネスで解決しようとはせず、まだまだビジネスとしかとらえることができないのでしょうか。

 JR西日本が、2025年に全面開業予定の「うめきた(大阪)駅」において次世代太陽電池、ペロブスカイト太陽電池(PSC)を採用すると発表しました。

次世代太陽電池「ペロブスカイト」世界初の採用計画、JR西日本のもう一つの狙い|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 ニュースイッチによれば、PSCの採用計画は一般共用施設として世界初となるといいます。積水化学のPSCを採用、約1年間の実証を通して発電量などを検証し、他の施設への採用拡大につなげていくそうです。

 

 

 ペロブスカイト太陽電池のような、どこにでも設置可能な次世代太陽電池が廉価に製造できるようになれば、太陽光発電の普及も変わっていくのかもしれません。

 時に、技術の進化が、現状の問題を解決してくれことがあるのかもしれません。しかし、それだけに甘んじてはならないのでしょう。

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ビジネスの究極の目的は富の創造、しかし、収益以外の要素に基づいて決断を下さなければならないときもある。(出所:ルネッサンス カルロス・ゴーン

 規範が求められている、これを知らなければならないのでしょう。

 景観を保ってこその環境への配慮、これが何より優先されなければならないと肝に銘じるべきなのでしょう。

自然はみんなの必要を満たすだけのものを与えてくれるが、貪欲は満たしてくれない」と、インドのガンジーは資源の節約を訴えていたといいます。

 「燃料やエネルギーの消費をもっと経済的にする必要がある」といい、「それが人類と後世に対する我々の義務」と述べていたそうです。

 

「参考文書」

eco ステーション うめきた(大阪)駅の環境の取り組み(西日本旅客鉄道株式会社)