Up Cycle Circular’s diary

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【COP28】化石燃料時代の終わりの始まり、再エネ転換でも中国がリーダーになる可能性

 COP28 国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議で、「化石燃料からの脱却を進め、この重要な10年間で行動を加速させる」という合意がなされました。

化石燃料時代の終わりの始まり」、世界のエネルギーシステムに革命を起こすことになるといいます。

 気候危機を回避するためには、避けては通れない道なのかもしれません。しかし、現実にはまだまだ課題がありそうです。各国が利害を乗り越えていくことはできるのでしょうか。

 

 

進まない米国のEVシフト

 急速に進むと予想されていた米国のEVシフトに早くも黄色信号が灯ったのでしょうか。EV 電気自動車の在庫が114日分と、1年前の53日分から約2倍に増え、過去最高まで積み上がっているそうです。

米自動車ディーラーでEV在庫のだぶつき鮮明、12月は過去最多を更新 - Bloomberg

 EVの割高な価格と充電インフラの未整備が足かせとなっているといいます。自動車メーカ各社も生産計画の縮小を余儀なくされているそうです。

進む中国の脱炭素

 中国が脱炭素を急速に進め、2022年の風力発電太陽光発電の導入量は世界のおよそ半分を占め、EVの販売においても同様で、世界の半分を超えているといいます。

エネルギー危機と中国経済の減速が加速させる世界の脱炭素(IEA見通し)|2023年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

 こうした再エネ拡大路線に、中国経済の鈍化が加わると、化石燃料への需要は低下し、エネルギー需要も2020年代半ばにピークをつけ、その後減少していくことが予想されるそうです。これまで先進各国と軋轢を起こしてきた中国が、今後は世界の脱炭素をけん引するようになっていくといいます。

 さらに中国国内でだぶついた太陽光パネルやEVなどが、海外市場に出回るようになり、「サプライチェーン独占」となって各国と貿易摩擦を生じさせる可能性もあるといいます。

 大量の二酸化炭素排出国であったはずの国が、気づけばリーダーに踊り出る、したたかな中国の戦略なのでしょうか。

 

 

 COP28の会場に、環境省が「ジャパン・パビリオン」を出展、日本の14事業者が参加、次世代型太陽光パネルや水素技術などをアピールしたといいます。また「スタートアップ・ビレッジ」も設けられ、10社が参加したそうです。

COP28で「日の丸技術」をPR、太陽光発電に商機…スタートアップ10社も参加 : 読売新聞

 パナソニックは建物の壁面を使って発電することができる「ペロブスカイト太陽電池」を展示したそうです。ただ量産はこの先5年以内になるといいます。

 世界中の首脳や企業関係者らが集まる場で高い性能を売り込み、新たな商機につなげたい考えだ。(出所:読売新聞)

どれだけ世界にアピールできたのでしょうか。脱炭素で一歩先を行きそうな中国に遅れをとることはならないのか気がかりです。

 

 

「参考文書」

COP28合意 再エネにのしかかる圧力 | WSJ PickUp | ダイヤモンド・オンライン

COP28、曖昧な「歴史的合意」 気温上昇余地あと0.4度 - 日本経済新聞

国産支援も「中国依存」続く太陽光市場、米政府に危機感 | 日経クロステック(xTECH)

中国によるデフレの輸出を警戒する米国|2023年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)