Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

熾烈さが増しそうEV競争、日本が選択すべき活路

 米自動車大手のフォードが中国のEVメーカの台頭に脅威を感じているのでしょうか。EVの生産で米国はまだ中国と競争する準備が整っていないとの見方を示したそうです。

EV生産で米国はまだ中国と戦えない=米フォード会長 | ロイター

主要な競争対手は中国メーカーであって、ゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタではない。(出所:ロイター)

 フォードは米国内にバッテリー工場を新設し、中国の大手電池メーカーCATL寧徳時代新能源科技の技術を導入するといいます。フォードの技術者がCATLの技術を学び、利用するそうです。これも現実なのでしょう。

 

 

 一方で、クリーンエネルギーへの移行の鍵とされるEVや風力発電太陽光パネルに欠かせないレアアースや金属などが今後数年で不足し、普及を抑制する可能性があるとの報告書を米コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーがまとめたそうです。

マッキンゼーも警鐘、クリーンエネルギー用金属は今後数年で不足 - Bloomberg

EVの動力を供給するリチウムイオン電池に必要なニッケルは、2030年までに約10-20%の不足に直面する見通し。電気モーターによく使われるレアアース(希土類)元素であるジスプロシウムは、最大70%の不足に見舞われる恐れがあるという。銅やリチウム、コバルト、イリジウム、スズも供給が縮小する可能性がある。(出所:ブルームバーグ

 こうした供給不足はサプライチェーンのコストを上昇させ、低炭素製品の価格を押し上げることになり、世界の脱炭素化の取り組みを遅らせる可能性が高いといいます。

 ヤマハ発動機の日高社長が二輪のカーボンニュートラル実現にあたり、電池を使ったEVバイクより、eフューエル合成燃料や水素エンジンにより大きな期待を抱いていることを明かしたそうです。

ヤマハ発社長、EVよりeフューエルに期待-カーボンニュートラルへ - Bloomberg

 時が経過すれば環境も変わり、様々な問題が顕在化することもあるのでしょう。これもまた現実的な解のような気もします。

 

 

液体燃料であれば従来のガソリンスタンドで短時間で燃料補給できる。現状では高すぎる価格という問題を抱えるものの、大量生産で1リットル200円ぐらいにまで下がれば一気に普及が進む可能性もあるとした。(出所:ブルームバーグ

「表に出すといろいろ叩かれたりするのであまり言わず静かにしていた」が、「民間企業としてのテクノロジーの自由度やカーボンニュートラルに向けた手段の自由度を奪われるのが嫌だ」という気持ちもあると日高社長は語り、「ポリティカルな規制みたいなのはぜひ勘弁願いたい」とも述べたそうです。

 国際的な主導権を得たいという外部の思惑が、本来イノベーションを起こすことができるはずの企業に足枷を嵌め、機会を奪っているのかもしれません。課題解決は遅れ、また競争においても置いていかれることになるのでしょう。

 

「参考文書」

さらばVW、中国EV界の次の勝者は | WSJ PickUp | ダイヤモンド・オンライン