Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【脱炭素の現在地】近づくCOP27、それなのに原発と巡航ミサイルトマホークなのか

 

 温暖化ガスの削減に進展は見られるもの、2030年までの目標達成には不十分な状態にあるといいます。UNFCCC 国連気候変動枠組み条約事務局がまとめた報告書によると、各国が目標通り温暖化ガスの排出を抑えても、30年の世界の排出量は2010年比で10.6%増えるそうです。

2030年温暖化ガス10.6%増 各国目標分析、パリ協定遠く: 日本経済新聞

 21年11月の分析では13.7%増だったというので、若干の改善は見られ、また、30年より前に地球の排出量がピークを迎える可能性も示されたといいます。ただ「パリ協定」の目標は、気温上昇を1.5度に抑えるなら45%減を求めており、その差はまだまだ大きいのが現状のようです。

 

 

各国とも再生可能エネルギーの導入拡大や高い省エネルギーを達成しなければならない。それでも現状では、パリ協定の目標達成はおぼつかない。(出所:日本経済新聞

 COP27が11月6日からエジプトで開幕します。異常気象による被害を軽減するには30年までの削減が重要になっており、世界各国がもう一段の削減に向けて足並みをそろえるかが課題になるといいます。それに加え、途上国支援やウクライナ危機の問題がポイントになると記事は指摘します。地球規模の課題解決には各国が一致して対応することが求められているといいます。

 温室効果ガスの削減には中長期の取り組みが重要とされます。日本は13年度比46%減を目標とし、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指しています。その目標の進捗が気になります。国際公約となった目標を達成してこそ、この分野においてリーダーとなり、それがまた他の分野にも波及していくのではないでしょうか。

 米国では、インフレ削減法が成立し、インフレで苦しい中、再生可能エネルギーの拡大を目指すといいます。将来を見据えればこそのことで、こうした中長期的な政策がなくてはならないといいます。

 

 

 茨城県日本原子力研究開発機構にある次世代型原子炉の実験炉を西村経産相が視察したそうです。政府は次世代型原子炉の開発と建設を検討する方針で、実用化に向けて開発を進める企業などを支援していく考えを示したといいます。

西村経産相 開発中の次世代型原子炉を視察 “実用化を支援“ | NHK

 視察のあと西村経産相は「電力の安定供給と脱炭素の実現の両立のために原発は極めて重要な位置づけと認識している」と述べ、人材や技術を維持していくため、ニーズに即した支援を考えていくと表明したそうです。

 次世代原子炉の技術開発や実験炉について否定する気はありませんが、なぜに政府がそこまで原発にこだわるのか、理解に苦しみます。現状の電力不足の危機を鑑みれば、一時的な活用は避け得ないのでしょうが、それが未来なのでしょうか。

 エネルギー価格が高騰するこの苦しい状況下にあって、また、目先にCOP27が迫ってきているというのに、防衛力に夢中になり、巡航ミサイル「トマホーク」の配備を検討しはじめる政府とすれば、まさか違うことに転用することを画策していないかと邪推してしまいます。そんな政府はうんざりです。

----

 異常気象が頻発するようになり、熱波や渇水の危険性が高まっています。こうしたことが常態化すれば、エネルギー危機はさらに深刻化する可能性があります。そうした中、世界においては再生可能エネルギーが拡大しています。

 しかし一方では、エネルギーの浪費が続いているとも言われます。省エネが求められ、かしこい、効率的なエネルギー使用が求められています。ライフスタイルを転換する取り組みが求められているはずです。

 政府がいう「GX グリーントランスフォーメーション」はそうあるべきのように感じます。またこうしたことを通じて途上国支援ができれば、持続的な成長にもつながっていくのではないでしょうか。

 

「参考文書」

「トマホーク」政府が購入を検討 いったいなぜ? | NHK | 自衛隊