Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【リスキリングの極意】世界最高齢のアプリ開発者のDXマインド

 

 日本経済が不振に陥った要因に、労働生産性や賃金の低迷があるといわれています。その再生に「学び直し」が求められています。

「仕事の効率」や「質」を高めて企業の収益力を底上げし、その利益を従業員に還元する、さらにそれらによって優秀な人材が獲得できれば、さらなる成長の期待につながるといいます。

 岸田首相の看板政策「人への投資」であり、こうした経済の好循環実現を目指しているといいます。また、人手が必要な分野への転職、副業・兼業を促す施策も強化していくそうです。

迫られる「学び直し」 政府が旗振り、浸透には課題【けいざい百景】:時事ドットコム

学び直しは、働き手からすれば知見やスキルを高め、待遇の良い企業で働く契機になり得る。一方で、賃金を引き上げられない企業にとっては、待遇面で見劣りして人材を確保できず、淘汰につながる可能性もある。従業員が持つ潜在的な力を学び直しで引き出し、収益力向上につなげられるのか、経営者の手腕が試される。(出所:JIJI.com)

 

 

 社会人経験のある人が仕事につながる再教育を受けることを「学び直し」といいます。

 最近は「リスキリング」や「リカレント教育」という言葉がよくに聞くようになりました。「リスキリング」はデジタル技術を用いた能力に関する文脈で使われることが多く、「リカレント教育」は学術色が濃いといいます。

リスキリングの極意

「デジタルおばあちゃん」、世界最高齢のアプリ開発者でもある若宮正子さん、御年87、リスキリングの極意を日経スタイルで話されています。

300人と学ぶデジタルおばあちゃん 80代でも社会貢献|NIKKEIリスキリング

 1935年生まれで、太平洋戦争を経験し、少女時代は飢えていた時代だったといいます。高校卒業後、銀行で働き、顧客対応から法人向けマーケティングや商品開発を経験し、定年まで勤めあげたそうです。

当時基本は手作業です。ソロバンをはじいて、ペンを使って書類を作成したり、印鑑を押したりするわけです。私は不器用なので作業が遅いと先輩からよく叱られていました。最初は会社のお荷物のような存在でした。しかし、機械化が進み、手先の器用さは関係なくなりました。専門的な知識やアイデアが重視されるようになり、業務改善のための提案もドンドンやるようになりました。(出所:日経リスキリング)

 

 

「コンピュータは私の恩人です」と若宮さんはいいます。「もう苦手なソロバンは不要になるのではとうれしくなりました」。そのパソコンに初めて触ったのは55歳の時で、面白いと思って58歳の時に購入したそうです。定年後の人生を大きく変えてくれたといいます。

 日本の中高年のビジネスパーソンがリスキリングに熱心でないことを問われた若宮さんは、「一生懸命勉強しても、給料やボーナスにあんまり反映されないからではないでしょうか」と答えます。

真面目だけど、新しいトライはしない。大企業は、江戸時代の藩のような存在ですね。一度入ったら、抜け出さず、抜け出させず、ずっと最後までそこにいるわけです。(出所:日経リスキリング)

 また、教育にも課題があるといいます。

「多くの親は、子供の頃に志望校を目指せと必死で勉強させますが、勉強嫌いなるばかりです。それよりも勉強は楽しいと教えて欲しい」と指摘します。そうなれば生涯学習にもつながっていくのではないかといいます。

「仲間と楽しみながら、学ぶことが大事なのではないでしょうか。明確な目的を設定して、面白さを知らないとうまくはいかないと思います」と語られる言葉が印象的です。

 

 

 自身の経験から語られる言葉に説得力があります。苦手を解消するために、新しいものを積極的に取り入れようとし、学び続ける若宮さんの言葉に、もしかしたら、「DX」デジタルトランスフォーメーションのヒントがあるのかもしれません。