Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【リスキリング】何を学び直すべきなのか、今求められている環境問題の知見

 

 2023年が動き出しました。首相が年頭会見し、「構造的な賃上げを」を実現すると言及したそうです。そのために、「個人の学び直し、リスキリングによる能力向上支援」、「日本型職務給の確立」、「デジタル分野などの成長分野への雇用の円滑な移動」を三位一体で進めるようです。

岸田首相、インフレ率超える賃上げを-「異次元」の少子化対策も - Bloomberg

 継続的な学びについては異論はないのかもしれませんが、あまり政府の関与が色濃くなると、にわか専門家が登場したり、便乗ビジネスで一儲けとの弊害が生まれそうです。

 真に社会がより良い方向に向かうことはあるのでしょうか。

 

 

 

 

GAFAから環境ビジネスへ

GAFA」世界的なテクノロジー企業に勤めている人材が、ここ数年、脱炭素など環境関連のサービスやソリューションを提供する企業へ転職するケースが増えているそうです。海外では、とりわけ技術的な知見をもつエンジニアが転職、あるいは起業する動きが目立っているといいます。

なぜGAFAなどから「脱炭素」企業に転職が相次ぐのか--パーセフォニの三浦健人氏に聞く - CNET Japan

GAFAという企業自体が、そもそも高い志を持っており、技術やサービスだけでなく、ESGやダイバーシティインクルージョンなども含めて、より幅広く社会に貢献しようとしています。(出所:CNET Japan

「そういう会社で働いていることで、自然と刺激を受けている人材が多い」、

記事は、元Apple Japanの三浦健人氏の声を紹介しています。三浦氏自身Apple入社前には環境問題に特別強い関心があったわけではないといいますが、CEOのティム・クック氏が語る「カーボンニュートラル」にふれることで、それが刷り込まれるというか、自然と興味を持つようになったそうです。

求められている知見、環境問題を学び直し

 環境問題を自身で勉強していく中で、個人で環境に対して何ができるのか、何が一番大きな課題なのかを考えるようになったそうです。そして、個人としてだけでなく仕事としても何かできないかと考えるようになったといいます。

 

 

 こうした人が増えるのも自然なことといいます。ただ、環境スペシャリストはまだそれほど多く存在していないといいます。ここ2〜3年、興味をもって学びはじめた人も多く、また、何かできないか考えている人も増えてきているといいます。

環境問題とテクノロジーの親和性

環境問題を考えるとき、テクノロジーの利用は避け得ないといいます。ビッグデータとAIを活用することで、例えば、二酸化炭素の排出量と温暖化の関係を説得力のある形で発信することが可能になり、より理解が深まるといいます。また、あちらこちらに散在するデータをAIで解析するなどの能力も求められているそうです。

 こうしたスキルがあれば、二酸化炭素排出量の算定・可視化、企業へのコンサルティングなどのビジネス化も可能になるといいます。また、こうした切実なニーズはまだまだあるともいいます。

脱炭素という機会

 今後、二酸化炭素排出量情報の開示は、財務会計と同じように、企業にとって必須項目になるといわれています。2030年までに二酸化炭素排出量を半減させ、2050年までにはカーボンニュートラル達成が目標と認識されるようになってきています。また、日本でも炭素税・カーボンプライシングが活発に議論されるようになり、排出量の多い企業が負担するようになることも想定されます。

 そうなると、脱炭素に向けたアクションは自然と加速され、脱炭素ビジネスの収益モデルが近年中に確立されるといいます。また、あらゆる法人が排出量情報を開示するようになれば、この関連サービスの市場規模は大きくなり、二酸化炭素の可視化部分にも、より高度な収益モデルが確立される可能性があるといいます。

 

 

 三浦氏の主張にも理はありそうです。こうした活動を企業内部で自主的に取り組むのか、それとも外部に委託、コンサルティングを受けながら進めていく方法もあるのでしょう。いずれにせよ、脱炭素は機会にもなり得るということなのでしょう。最低限のスキルを身につけておくべきなのでしょう。

「今日何を食べようか」となったときに、牛肉はおいしいけれど、牛がたくさんメタンを排出していて環境に良くないから別のものを食べようか、と考える人が欧米では日本より多いようです。(出所:CNET Japan

 環境問題の個人の意識として、欧米は日本より進んでいると三浦氏は指摘します。学び直しをきっかけにして、個人の意識にも変化があれば、とかく周回遅れると日本の挽回にもつながっていくのかもしれません。

キャリア形成から考えてみる

カイゼンの原則」、IE インダストリアルエンジニアリングを基盤とし、トヨタに根付いたこの手法は「ビジネス哲学」であり、単に「無駄の排除」や「作業の標準化」、「効率化」だけでなく、自分のキャリア形成にも応用できるといいます。

「カイゼン」をキャリア形成に応用する5つの方法 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

自分のキャリア形成について、流れに任せて「これで十分」と思える成果に満足しているだろうか? それとも、終わりなき改善を続ける心構えを持っているだろうか?(出所:Forbes)

 

 

カイゼン(改善)」には、終わりはなく、完璧はあり得ず、常に改善や改良の余地があるという考えを基本にしているといいます。

 また、カイゼンでは一貫性も重視され、小さいながらも好ましい変化を続けることで、時間をかけて大きなインパクトを生み出すことができるといいます。

 さらに企業として採用すれば、全従業員に対して改善できる余地を見つけ出して実行可能な解決策を生み出すよう積極的に奨励していくのも、カイゼンの哲学といいます。

IEの基礎

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 人も企業も、こうした哲学、心構えを持てるようリスキリングしてみるのもいいのかもしれません。

 それこそが、終わりなき改善の始まりになり、何ごとにおいて良い方向に向かい始めることになるのではないでしょうか。