Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【人的資本経営】増加する学び直しする人たち、その事例

 

「大仏商売」という言葉があるそうです。店主が座っているだけなので「人は来るがお金を使ってくれない」という現象になるといいます。

 多くの観光客が押し寄せる奈良県、しかし、訪日外国人の一人当たり消費額が都道府県別で47位に甘んじているといいます。その一因がこの「大仏商売」気質といわれるそうです。

奈良をスモールビジネスの町に!中川政七商店が県と進める「さらば大仏商売」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 そんな窮状を救おうと、1716年、奈良で創業した中川政七商店の中川代表取締役会長が、地元の事業者や起業を考えている人に、経営や思考のフレームワークを教示、支援を始めているそうです。

 

 

出世払い、無料で支援する

経営において最も重要で、最初にやるべきことは事業計画書の策定」(出所:Forbes)

 中川氏が支援したスパイスカレーの専門店は、間借りなどの不定期出店から自店舗を持つようになり、コロナ禍の開業であったにもかかわらず2期目で黒字化に成功したそうです。

 中川氏は資金が十分でなかったこの店を無料で支援を始め、一定の売上額を超えた際、売り上げの1%を「出世払い」として支払うという約束で、中期経営計画策定等をサポートしたといいます。

 この店は約束の「出世払い」を果たし、一方、中川氏はこのお金の有効活用を考え、『恩送り制度』をつくったとそうです。先輩事業者たちの出世払いを使って、次の事業者の経営指導にあたる、そうすることで持続可能な事業者支援ができるようになったといいます。

人的資本経営

 企業の間で「人的資本経営」に注目が集まっているようです。

 ESG投資の「S」に深くかかわり、また、昨今では人手不足対応や人材確保の要素も加わっているのでしょうか。

社員を管理しようとするのはもうやめて、それぞれの人が持っている動機を人事が支援することが必要です。(出所:日経ビジネス

「人的資本経営」どう実践? ソニーGなどの人事トップに聞く:日経ビジネス電子版

 復活を果たし、再成長を始めたソニーには、従業員個人の成長を支援て、その結果、企業も成長してできればいいとの考えがあるといいます。

「個の挑戦を支援することによって、社員自らが学ぶカルチャーが定着し、自律的な成長を実現できた」と、ソニーグループ執行役専務の安部氏は述べています。

 

 

 そのために「人材理念」を整理したそうです。「社員が自らの意思で独自のキャリアと未来を築くこと」と、「ソニーという器の中で新しい価値が生まれること」との思いを込めたものといいます。その上で、事業の成長に最も適した個を求め、伸ばし、そして「生かす」よう支援したといいます。

 また様々な学ぶ機会を提供し、技術研修には年間で約2万6000人超が受講するようになり、メンターシッププログラムも始めたそうです。

大仏商売になっていないか

 ここ最近にあっては、持続的な賃上げが実現するのかに注目が集まります。一方、DX:デジタルによる変革、リスキリング(学び直し)などが求められるようにもなっています。

「大仏商売」のようにただ待っていては何も変化は起きようがないのかもしれません。

 仕事の中に学びがあればいいのではないでしょうか。また、その学びが仕事になればなればいいのかもしれません。 仕事も学びのやり方次第、それがわからなければ、それもまた学びの機会となります。

 うまくいっている企業がそうしているのですから、それに倣ってみてもよさそうです。