Up Cycle Circular’s diary

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【COP27】軍事侵攻には欧米と共同歩調、なぜ気候変動ではそうできないのか

 

 気候変動への適応を念頭にし東京都が東京湾沿岸の新たな防災計画案をまとめたといいます。IPCC 国連の気候変動に関する政府間パネルのシナリオを採用し、2100年までに産業革命前から平均気温が2度上昇、海面が最大約0.6m上昇するとして、防潮堤の高さを現行計画から最大で1.4mかさ上げするそうです。

温暖化対応、防潮堤かさ上げ 海面上昇で最大1.4メートル―東京都:時事ドットコム

 記事によれば、強大化する台風や高潮などで海水が防潮堤を超えないよう高さを見直しているといいます。全長約60kmのうち約30km分をかさ上げし、江東区東雲付近では1.4m、豊洲では0.6mになるそうです。

 そうなって欲しくはないですが、そうなることを想定しなければならないほどに事態が深刻化しているということなのでしょうか。

 

 

 エジプトではCOP27の首脳級会合が始まりました。各国リーダーが登壇、現状に懸念を示し、気候変動対策の必要性を訴えています。

COP27、各国首脳が対策強化訴え 英首相はウクライナの戦争に言及 - BBCニュース

パキスタンの壊滅的な洪水の浸水面積は英国全体と同じ大きさだ」と語ったのは英国のスナク首相、「気候変動対策とエネルギー安全保障は手を取り合って進む」と指摘し、「プーチン大統領の忌まわしい戦争と世界的なエネルギー価格の上昇が、気候変動対策を遅らせる理由になってはならない。むしろ、対策を迅速に進める理由そのものだ」と話したといいます。

 一方で、ロシアのプーチン大統領は参加せず、大量に温室効果ガスを排出する中国の習主席の姿もなかったといいます。日本の岸田首相も参加を見合わせ、同列に加わったかのようです。

化石燃料で世界規模のルネサンスがあってはならない。ドイツについてはそれはないだろう」強調したのは、ドイツのショルツ首相、ロシアによってもたらされたエネルギー危機に対処するため、廃止予定だった石炭火力発電所を再開させましたが、それが未来にわたって続けることはないと明らかにしたのでしょうか。

 BBCによれば、フランスのマクロン大統領は各国首脳に対し、気候に対する正義を行うべきだと熱弁し、イタリアのメローニ新首相さえも、引き続き目標に「力強く貢献していく」と語ったそうです。

 中間選挙真っ只中のバイデン米大統領は首脳級会合には参加していませんが、11日から参加する予定で、現在はケリー特別大使が参加しているといいます。

 

 

「2大経済国である米国と中国が特別の責任を負っている」と指摘したのは国連のグテレス事務総長、この2カ国が「特別な責任を負っている」と強調し、先進国と新興国が手を携えて「気候連帯協定」をつくるように求めたといいます。

【更新中】「なぜキシダは来ないのか」 COP27、欧州からの追及 [気候変動を考える]:朝日新聞デジタル

 世界の二酸化炭素排出の4割以上を占める両国の協力がなければ、気候変動対策の意義が薄れるということなのでしょう。自動車も車輪が車軸で結ばれないければ、正しく前進することはありません。政治的に対立する両国に融和を働きかけることが求められているのでしょう。

 

 

 その対立の先鋭化を避け、自国の安全保障のためにも、地理的にその中間にある日本が「気候」をテーマにして取り計らうべきではないでしょうか。

 容易なことではないことであることは理解しますが、しかし誰がやらなければ空転を続け、状況が前に進むことはありません。車軸となって両国を結び付ける役回りが求められているはずです。繰り返しになりますが、岸田首相がこの重要な国際会議に参加しないのが残念でなりません。

 日頃、欧米との共同歩調を強調する首相ですが、ここでもまたちぐはぐさを露呈したようです。

 

「参考文章」

途上国の温暖化対策「米中が負担を」 COP27で仏大統領: 日本経済新聞

パキスタンで牙むく温暖化 氷河「第3の極」に融解危機: 日本経済新聞