Up Cycle Circular’s diary

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【COP27】欧州が推進する脱ガソリン車に賛同しない自動車大国

 

 COP27で、ガソリン車の新車販売を2040年までに停止すると宣言した国が増えたといいます。

「ガソリン車廃止」宣言拡大 仏スペインも、日本は不参加―COP27:時事ドットコム

 昨年のCOP26で、議長国の英国が主導して始まった取り組みです。この取り組みでは、ガソリン車やディーゼル車の新車販売を、先進国は2035年までに、途上国も2040年までにやめ、走行中に温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション車(ZEV)」に全面的に切り替えると宣言するよう呼び掛けているといいます。

 今回のCOP27では、新たにフランスやスペインが参加したそうです。ただ、米国や中国に加え、自動車の輸出大国の日本とドイツは加わっていないといいます。

気候変動対策が喫緊の課題となる中、当初二十数カ国だった参加国は41カ国に拡大。自治体や企業なども含めると、参加主体は214に達した。英政府などは17日、互いに協力してZEVへの移行を加速させるための連合を立ち上げた。(出所:JIJI.com)

 

 

 一方、日本も2035年までに乗用車の新車販売を全て電動車にする目標を掲げていますが、電動車の対象にはガソリンを使うハイブリッド車などが含まれ、異なる方針で進めることになります。

 記事によれば、政府関係者は「ZEVの一本足で行くことはサプライチェーン(部品供給網)の安全性などの面でリスクが高い」と指摘、もう少し選択肢を広く持つと述べているそうです。それも理由かもしれませんが、それよりは再エネ普及の問題に加え、電力需給の問題もあるのではないでしょうか。

(写真:テスラ)

 化石燃料で作られた電力で走行するEVではあまり意味がありませんし、それに加えて、電力需要が増えることで需給が圧迫されるようで本末転倒になってしまいます。こうしたことは途上国も同様に抱える問題ではないでしょうか。

 どちらがデファクトになるかという問題とせず、より現実的に解決すべきことのような気がします。

 目標年が適切なのか、疑問を感じます。途上国において、それまでに再生エネの拡大と充電設備の設置が進むのでしょうか。

 ZEVを拡大、普及を推進すべきなのでしょうが、同時にバックアップを準備を進めておくべきなのでしょう。ガソリン使用の脱却プランに加え、ガソリン代替として、CCUによる合成燃料やバイオ燃料などの実用化などを加える必要があるのではないでしょうか。目標はあくまでも、カーボンニュートラルの達成にあるのだから。

 

 

「誰かの犠牲の上に成りたっている豊かさ」、それが、これまでの資本主義であったといいます。しかし、SDGsやESGが問われるようになり、「脱炭素」や「生物多様性」、「ビジネスと人権」などが主要なテーマとなり、「ゼロサムからの脱却」を志向するようになったといいます。そして、これらを実践するのが、経済的な力のある企業の責任と言われます。

これからのプラスサム資本主義時代、企業は「統合思考」が必要になる | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 欧州が標榜する「EVシフト」は理想的なことかもしれませんが、こうした考えに符合するのかといえば、少々疑問が残ります。こうあるべきと理念を希求することは間違いではないのでしょうが、誰もがその理想に真っ直ぐに進むことができないのもまた事実のような気がします。

 時に、欧州主導のルール作りにくさびを打ちこむ必要があるのではないでしょうか。そんな役回りを日本ができればいいのでしょう。

 そのリーダーになるためには、従来からの思想を改めて、自分たちのためとか経済のためにとか、そういう考えではなく、自分たちよりも弱い立場にある人たちの存在を認め、その人たちのために徹することができるのかと、問われているのでしょう。そして、そう振舞うことができてはじめて、誰一人取り残すことなく、持続可能な社会が実現するのではないでしょうか。 

 

 

 トヨタが、HVハイブリッド車プリウス」の5代目モデルを発表しました。

カーボンニュートラル時代には皆の手に届くエコカーが必要だ」、発表会でトヨタのサイモン・ハンフリーズ統括部長が断言したといいます。

「いつまで作り続けるのか」の声も…トヨタが5代目発表、HV「プリウス」の存在価値|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

プリウスは絶対になくしてはいけないブランドだ」(ハンフリーズ統括部長)。

EV、燃料電池車(FCV)の普及まで時間がかかると見られる中で、環境に貢献するHVの役割はまだある。それを示すことが、HVをリードしてきたプリウスの今後の存在価値だ。(出所:ニュースイッチ)

 最も信頼できるバッテリー駆動車は依然としてガソリンタンクを備えたハイブリッド型と、最新の米消費者団体のリポートで明らかになったといいます。

 ハイブリッド車が自動車部門で最高ランクとなり、トヨタ自動車などガソリン・電気のハイブリッド車を展開する自動車メーカーの評価が高まっているそうです。

 

「参考文書」

テスラ振るわずトヨタ首位、EVよりハイブリッド-米誌の最新調査 - Bloomberg