Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

この秋、マイナ制度の信頼性は回復し、国を信用するようになるのだろうか

 問題のデジタル庁が、ガバメントクラウド上に窓口業務支援向けのSaaS ソフトウエア・アズ・ア・サービスを構築しているそうです。窓口改革を進める自治体が2023年秋にも利用できるようにするといいます。

ガバクラ上にSaaS 自治体に提供のワケ | 日経クロステック(xTECH)

 この窓口支援システムとは、マイナンバーカードを使った転記や手続きする申請書作成支援など従来のような利用者が申請書に手書きすることがなくなり、また庁内業務システムとのデータ連携などにより、利用者と職員の負担を軽減するシステムといいます。記事によれば、全国自治体でシステム利用が広まりつつあるといいます。

 

 

 記事は、北海道北見市役所の事例を紹介しています。市役所には来庁者が紙の申請書に手書きするための記載台がないといいます。

来庁者からは「手続きが楽になった」と好評だ。しかも申請を受けた後の職員による確認作業や修正が減り、事務作業の軽減につながったという。システム開発に先立ち、複雑になっていた窓口業務の可視化や、申請書や届け出書の標準化に取り組んだ。(出所:日経クロステック)

 政府・地方自治体におけるDX:デジタルによる変革の一例といっていいのでしょうか。

マイナンバーカード総点検

 一方、肝心要のマイナンバーカードがトラブルの続発で信頼性を失いつつあります。政府は急ぎ「総点検本部」を立ち上げ、「マイナポータル」で閲覧できる計29項目の全データを点検する方針を示しましたが、広範な作業になることから、早くも混乱が予想されているといいます。

マイナンバー「総点検」、困惑する現場 丸投げ・本人申告頼みの面も [岸田政権]:朝日新聞デジタル

情報のひもづけは、自治体や健康保険組合などが行っているが、誤登録の多くは本人確認に必要な情報のうち一部しか照会していなかった。(出所:朝日新聞

 記事によれば、政府は点検の範囲を広げ、7月中にマイナンバーとどのような手順でひもづけたかを確認、適切でなかった情報は、秋までにマイナンバーと正しい情報がひもづいているかの点検を終えるそうですが、対象となる機関は約3600におよぶといいます。

 効率化を目指したはずなのに、不必要な作業が増え、多くの人たちから貴重な時間を奪い、また大事な税金が非効率的な作業に費やされる最悪な事態になります。

 こうした失態の原因は何であったのでしょうか。事前の準備不足、データ紐づけ作業の業務設計の不備、必要工数の読み違いなどなのでしょうか。

 政治的には急ぎ解決した事案なのでしょうが、ここは十分な時間を確保したうえで、安全確実を第一にしてもらいたいものです。慎重に対応して再発防止を確実にすることがロスコストの最小化につながるはずです。

 また、信頼性を高めるための制度自体の見直し、追加点検事項、マイルストーンの再設定があればいいのかもしれません。叩き過ぎて石橋を壊すくらいの点検していかないと問題の根絶にはならないのではないでしょうか。

 

 

 有名人を使った広告でマイナポイントをアピールし、それで普及させようとした結果がこれでは無様です。マイナンバーカード導入によるメリットを再度明確化し、説明していく必要があるのでしょう。

常識

 コロナ渦以前もそうだったのかもしれませんが、それより増して政府と国会の衰退が甚だしいと感じます。このマイナカードも然りなのですが、それ以外にも問題が多過ぎないでしょうか。問題が起きるのは、その前に種が蒔かれていたからなのでしょう。

 税収が過去最高を更新しているのに、費用が足らないといって、財源もなく次々と新たな政策を推進しようとする姿勢に矛盾を感じますし、常識から逸脱しています。無理を通して道理を引っ込めてはならないはずです。

 デジタルによる行政改革も喫緊の課題なのでしょう。しかし、それをチェックする機能が働かなければまた同じことが繰り返されることになります。国会改革も避けられそうにありません。そうでなければ無謀な政治が止まることはないのではないでしょう。

 

「参考文書」

衆議院解散の風にあおられる政治の不毛 財源論から逃げるな - 日本経済新聞