Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

これが望んだ未来だったのか、感染症、気候変動、隣国との対立

 

 国産の野生のトキが20年近く前に絶滅し、その後の保護繁殖プログラムによって佐渡での生息数が500羽近くまで盛り返したといいます。

現代の不死鳥 トキが日本によみがえる 写真18枚 国際ニュース:AFPBB News

 この佐渡の保護繁殖プログラムは中国との協力で進められたといいます。また、農家の協力も欠かせなかったそうです。

 当時はまだ「環境のことよりもできるだけ高く売ること、たくさん収穫することが優先されていた」そうです。そんな風潮のなかで、厳しい規制を設けたといいます。

いち早くトキに優しい農法に転換した齋藤さんだが、他の農家の態度が目に見えて変わっていくのを実感したのは、飼育されていたトキが2008年に初めて放たれた時だった。「おれの田んぼにもトキが来たんだから、おれもそういう農業をしようって。そういう意識転換が始まったんだよね。トキが自ら自分の環境を変えていく役割を果たしたんだ。(出所:AFP BB NEWS)

 急激な変化には抵抗感があるのかもしれませんが、変わってしまえば、なんとかなっていくものなのでしょうか。

 

 

 気候変動問題の解決策として「脱成長コミュニズム」を、『人新世の「資本論」』の著者斎藤幸平氏が提唱しています。

今は地球の緊急事態。個々の取り組みも続ける必要はありますが、SDGsを絵に描いた餅にしないためには、もっと大胆に社会の変化を開始すべき段階に来ています。(出所:Hanako)

 理解はできるし、理想なのだろうと思いつつも、なかなか100%鵜呑みすることも出来ずにいます。しかし、やってみれば何とかなるものなのでしょうか。

 現実の世界では、熱波など気候変動の影響とみられる異常気象がますます頻発するようになり、世界各地に甚大な被害を引き起こしています。日本でも、北日本では大雨が続き、東日本西日本では連日の猛暑になっています。

 グローバリゼーションによって世界がフラット化していく中で、格差の縮小が図られればよかったのでしょうが、かえってそ世界中で格差を拡大させてしまいました。そして、そうした流れの中で、一部の国が力を蓄え、問題や対立を引き起こすようにもなってもいます。

 そう思えば、斎藤幸平氏の提言もひとつの解のように聞こえます。

経済思想家・斎藤幸平さんインタビュー「SDGsをブームではなく、豊かな社会へと移行するチャンスにする」 | ハナコと考えるSDGs | Hanako.tokyo

 持続可能性と平等はセットで考えなければならない。片方だけにコミットしても問題解決はできないといいます。 それはSDGsの課題解決においても言えることといいます。

全員が等しくSDGsを踏まえた生活をするには、格差をなくして、持続可能な食べ物や電力などのプランを、誰もが普通に選べるような社会にしていかなければならない。

(出所:Hanako)

 

 

 さらに、「私たちがやっているSDGsのための小さな努力は、地球の環境改善に役立っていると思い込まされているだけなのではないか」といいます。

 マイバッグやマイボトルを持つだけでは気候変動は止まらず、逆にお洒落なバッグやボトルを余計に買えば、本末転倒なことになるといいます。

「我々にはもっと大きなやるべきこと、“社会システムの大変革”というタスクがあるのに、自分は良い消費をしている、と責任逃れ、いわば免罪符を買っているにすぎません」と指摘しています。

....今の状況ではかなり大きな変革をせざるを得なくなっているんです。この供給や規模の過剰問題は他の業界や社会全体にも共通することです。

今は地球の緊急事態。個々の取り組みも続ける必要はありますが、SDGsを絵に描いた餅にしないためには、もっと大胆に社会の変化を開始すべき段階に来ています。(出所:Hanako)

 

 

 いつしか感染症に苛まれるようになり、気候変動の影響によって生じる異常気象に疲弊しています。また隣国とは対立するようなり、遠い異国ではそうした対立が紛争へと発展しています。

 こうした現実が私たちが望んできたことなのでしょうか。このままで未来はどうなっていくのかと心配になります。

「脱成長」を考え、トライアルしてみてもいいのかもしれません。

 

「参考文書」

『人新世の「資本論」』斎藤幸平さんインタビュー マルクスを新解釈、「脱成長コミュニズム」は世界を救うか|好書好日