ブーム化する「サステナブル」、Z世代の人たちは、軽い気持ちではそれに乗らないようにする姿勢が感じられます、とBusiness Insiderが言っています。
彼らにとっては、「サステナブルとは地球のためではなく、むしろ自分のためにやっている行動」だそうです。
まず前提として、Z世代にとってすでにサステナブルとは、興味のある人だけが学べる「選択科目」ではなく、全員学ばざるを得ない「必修科目」として捉えられています。
具体的には、大学の英語の授業の課題にサステナブルが設定されていたり、サステナブルな活動を支援するインターンが経験できたりと、非常に身近なところに学ぶ機会が用意されています。 (出所:Business Insider)
現在の学校教育の詳細まで知りませんが、学校教育にSDGsが取り入れられ、子どもたちが学んでいると報道されています。人による差はあるのかもしれませんが、SDGsは常識になりつつある、そう思っていました。
例えば、貧困をなくそうとか、気候変動をなくそうとか......
その詳細は別にして、その言葉を知っていれば、何か選択行動するときの判断の一助になるのではないでしょうか。
そうした人たちが増えていけば、SDGsを特に目的化することなく、日常のごく当たり前のことになっていきそうなものです。逆に、そこから逸脱するものに、違和感を感じるようになるのでしょうか。
Z世代の就活生メンバーの男性からは、企業の説明会にも「SDGsセミナー」が存在するケースがあると聞きました。彼自身、社会人としてSDGs資質を持っているかどうかがもはや問われているような気がするとも話していました。(出所:Business Insider)
「サステナブル」ブームに乗るZ世代がいる一方で、一歩引き、疑いの目をもって見る人たちもいると記事は指摘します。
「イメージ改善の施策としてやっている気がする。できたときからサステナブルを哲学としてやっているD2Cブランドとかの方が本気度が感じられる」、と話す20歳の女性の声を紹介しています。
正解のような気がします。古くからある企業が、どこかで「サステナブル」に目覚めれば、それを特別視して、PRを始めるのでしょう。ただその方法によっては、胡散臭く感じられたりするのかもしれません。
しっぺ返し
ギリシャでは、数十年で最悪の熱波に見舞われ、全土で山火事が発生しているといいます。欧州南部を襲った異常な猛暑で、ギリシャでは3日の最高気温が47.1℃に達したそうです。
これまでの「サステナブル」でなかった行動のしっぺ返しなのでしょうか。
隣国トルコにも熱波は襲い掛かり、ギリシャ同様山火事が発生しているといいます。
AFPによると、今年の山火事シーズンは気温上昇と強風により、平年よりも著しく被害が大きくなっているといいます。専門家は、気候変動の影響で山火事の頻度と火勢が増していると指摘しているそうです。
また、科学者は、気候変動の影響で世界各地で熱波が発生しやすくなっており、将来的には気温上昇に伴い、さらに激しい熱波が頻繁に発生すると予測しているといいます。
気候変動の影響が年を追うごとに深刻さを増しているように感じます。
「サステナブル」がもっとブームになり、Z世代のようにみなが、自分のために 「サステナブル」な行動をするようになればいいのかもしれません。
地球のため、未来の世代のためとすると、重たく感じる人がいるのかもしれません。それに加え、こうした枕詞もある意味、理解を促すPR文言に過ぎないのですから。
「我々は制度を重んじすぎる。もっと個人に目を向けなければならない」(B/ディズレイリ)
なにごとも「にわかファン」が増えないと、それが社会に定着することはないといいます。反発はあるのかもしれませんが、時には胡散臭い企業のPR活動も必要なのでしょう。ただ見せかけ、「ウォッシュ」は慎まなければなりませんが。