10月が始まった。年度でいえば下期の始まりである。酒税法げ改正になり、今日から税率が変更となる。その他いろいろな変更もあるようだ。
ANAのSDGs「行動の10年」への一歩
ANAは今日からCA 客室乗務員がSDGsバッジの着用、SDGsを広く知ってもらうための取り組みを始めるという。11月からは機内で「SDGsチャンネル」も開始するそうだ。SDGsの達成に向け、2030年までの「行動の10年」の取り組みの一環という。
(写真:ANAプレスリリース「SDGsの達成に向け、2030年までの「行動の10年」で
取り組みを加速します」)
そのANAは9月20日、世界最大の旅客機エアバスA380を使った遊覧飛行を行ったという。Aviation Wireによれば、航空機は飛行しない期間が90日を超えた場合、通常よりも整備作業の項目が増えて費用がかさむという。このため乗客を乗せないフライトを90日以内に実施することがあり、利用者からも、乗客を乗せずに飛ばすのであれば、A380に乗りたいという要望があって実現したという。
ANA同様に遊覧飛行を計画していたシンガポール航空は、環境に悪影響との反発受けて計画を撤回したという。AFPによると、代わりに、旅客機の見学ツアーやA380の機内でのディナーなどを考案しているという。シンガポール航空は、今月、全体の20%に当たる4300人の従業員を削減したという。
SDGs「行動の10年」のときだからこそ、バイオ燃料を使ったテストフライト、遊覧飛行があったらいいのかもしれない。そのフライトで、バイオ燃料の使用との気候変動との関わりを伝える。ANAにはそんな遊覧飛行を計画してもらいたいと感じた。
ANAはユーグレナ社が推進する 「Green Oil Japan」宣言に賛同しているのだから。昨年、「ANAは20年までにユーグレナのバイオ燃料を使った商業飛行を検討する」と日本経済新聞が報じたことを思い出す。
Decade of Action SDGs達成のための「行動の10年」
2030年、それがSDGs(持続可能な開発目標)のゴールの年になる。2015年に国連で採択されてから、3分の1が経過、今年からは、「Decade of Action」 SDGs達成のための「行動の10年」といわれる。
日経BixGateSによれば、SDGsの認知は高まってきているという。しかし、このコロナ渦で貧困や不平等が拡大し,失業や廃業なども増加、様々な問題が顕在化し、SDGsの17の目標とその下に設置された169のターゲット,232の指標が十分に達成されているとは言い難い状況になっているともいう。こうした状況を鑑み、企業はSDGsを経営に取り入れ、理念型でブランド志向型の経営が求められていると提言する。その方が長期的にサステナブルで利益的であり、ブランド構築ができかつ投資家の支持を得られやすいという。
SDGsが認知されたからといって、目標が独りでに達成されるわけではない。ゴールに到達していくためには、より多くの人が参加し、参加者がそれぞれに何らかのベネフィットを得ながら、ゴールに近づいていく方がいいのかもしれない。ベネフィットは何も金銭である必要はなく、例えば、SDGsに貢献しているという満足であってもいいのではなかろうか。
商社丸紅がはじめる再エネ事業 間伐材を使ったバイオマス発電
大手商社の丸紅が、岐阜県安八郡神戸町で木質専焼バイオマス発電所を3年後に始めるという。燃料には主に岐阜県内産の未利用間伐材等を利用するという。
ここ最近、森林荒廃との話を聞く。間伐材の利用が進み、森林保護にもつながる活動が活性化すればいいのかもしれない。バイオマス発電のような再エネ発電事業拡大が気候変動対策の一環であることは理解できるが、それにとどめず、森林保護や生態系保護などもう少し幅広くSDGsと関連付けた市民参加型のCSR活動を取り入れたりはできないのだろうか。そうすることで企業にも市民にとってもベネフィットのあるものにならないだろうか。それがブランディングに繋がり企業にとってもプラスになるはずと、そう単純に考えてしまう。
ESG投資が企業のSDGsを後押しする
ESG投資が加速し、企業は変化することを求められている。今年初め、世界最大の投資会社ブラックロックのCEOラリー・フィンク氏が「CEO書簡」を公表した。
究極的には、企業理念が長期的な収益性の源泉となるのです。
強い企業理念を掲げ、ステークホルダーに真摯に向き合う企業は、顧客とより深くつながり、絶えず変化する社会の要求に適応することができるでしょう。(中略)
ステークホルダーへの対応、あるいはサステナビリティ課題に向けた適切な対応を怠る企業や国に対して、いずれ市場は懐疑的な見方をとるようになり、その結果、資本コストは上昇することになります。 (出所:ブラックロック公式サイト)
この「CEO書簡」が直接SDGsに言及することはないが、「気候変動に関する情報にとどまらず、例えば従業員のダイバーシティ、サプライチェーンのサステナビリティ、顧客の個人データ保護など、あらゆるステークホルダーに対する企業の対応に関する情報」を投資家、規制当局、保険会社、一般市民が知りたがっていると指摘する。
SDGs「行動の10年」、企業にできることはたくさんあるはずである。そろそろ発想の転換が必要なのかもしれない。
「関連文書」
「参考文書」