デパート各社で人権問題への対応を強化する動きが出てきたそうです。三越伊勢丹ホールディングスは社内のバイヤーを対象に、およそ2万社にのぼる取引先が人権問題に対応できているかを確認する専門研修を新たに始めたそうです。
デパート各社で人権問題への対応強化する動きが始まる | NHK | 小売業
記事によれば、サプライチェーンにおける人権問題への対応で、小売業の取り組みが進んでいないという指摘があるといいます。
「われわれが率先して業界全体の取り組みの底上げをしたい」と、この取り組みを推進するサステナビリティ推進部のメンバーが話しています。
人権デューデリジェンスが話題に上がり、鉱物採掘や製造現場における児童労働が問題視され、衣料品などにおける強制労働や劣悪環境での労働も問題となりました。こうした報道がありながら、自社で販売する商品がそれに該当するのかもしれないのに、その確認を怠っていたということなのでしょうか。
しかし、何もしないよりはたとえ遅れていたとしても、いちどアクションを起こせばよい方向に向かっていきます。
持続可能な社会・時代をつなぐ | 重点取り組み② 持続可能な社会・時代をつなぐ | サステナビリティ|株式会社三越伊勢丹ホールディングス
三越伊勢丹グループは2018年度に「三越伊勢丹グループ調達方針」「三越伊勢丹グループ人権方針」を制定し公表していましたが、2023年6月、「お取組先行動規範」を制定、サプライチェーン全体で、人権の尊重や持続可能な調達に取り組んでいくことにし、人権デューデリジェンスの実践に向け体制を整えていくといいます。そして、2030年までにすべての取引先、従業員への調達方針浸透を目指すそうです。
こうした活動によって、より多くの人がよい影響を受け、みなが人権尊重を当たり前のことにするようになれば、世の中の空気感も変わっていきそうです。
しかし、現実の社会にはまだ理不尽なことが多々あるのではないでしょうか。差別やハラスメントに関する報道が後を絶ちません。
音楽プロデューサー松尾潔氏がジャニーズ〝性加害〟言及で契約終了 山下達郎も同意 | 東スポWEB
話題になったジャニーズ問題が後を引いているようです。問題の根深さを感じます。
前検事総長の林真琴氏を座長とする「外部専門家による再発防止特別チーム」が立ち上がり、故ジャニー喜多川氏の性加害問題について、事務所から完全に独立した形で調査を行うことになりました。
時間はかかるのかもしれませんが、真相を究明し、業界の意識が変わることになっていけばいいのでしょう。
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こうした問題は見過ごしてはならないのでしょう。みなが気にすることで、問題が解決に導かれるようになり、それによって世の中が変わり、一人ひとり、個人がもっと尊重される社会に近づいていくような気がします。
「参考文書」
重点取り組み(マテリアリティ) | 重点取り組み(マテリアリティ) | サステナビリティ|株式会社三越伊勢丹ホールディングス
性加害問題を「独立した形で調査する」 ジャニーズ事務所設置の外部特別チームが会見:東京新聞 TOKYO Web