梅雨の中休み、連日大雨が続いた九州でも今日は晴天なのでしょうか。ここ数年、梅雨になるとどこかで大雨による被害が発生し、梅雨の雨の降り方が変わってきたことを感じます。
エルニーニョ、予想される暑い夏
南米ペルー沖の海面水温が変化すると異常気象が生じるといわれます。この海域の海水温が低下する「ラニーニャ現象」が続いていましたがようやく収束し、今度は海水温が上昇して「エルニーニョ」が7年ぶりに発生したそうです。この二つの現象が続いて起きるのは1976年以来47年ぶりのことといいます。
通常、エルニーニョ現象が発生すると、夏は太平洋高気圧の張り出しが弱まり、日本は日照時間が少なくなり、冷夏になることが多いとされるますが、今年はちょっと違うとの予報もあるようです。
ラニーニャ、エルニーニョ現象 47年ぶり連続発生 異常気象で世界経済どうなる?:東京新聞 TOKYO Web
エルニーニョ現象が起きているが、気象庁は温暖化の影響も踏まえ、この夏の平均気温は高めに予想した。6月20日に発表した7~9月の3カ月予報では、平均気温は北日本を除いて全国的に平年並みか、それよりも高いと示した。(出所:東京新聞)
予想される記録的な高温
「世界の多くの地域や海洋で気温の記録が更新され、猛暑を引き起こす可能性が大幅に高まる」と、「エルニーニョ現象」の発生を宣言したWMO 世界気象機関も注意を呼びかけているそうです。また、WMOのターラス事務局長は「WMOによる宣言は、私たちの健康、生態系、経済への影響を抑えるために、各国の政府に準備を呼びかける警告」との声明を出したといいます。
このエルニーニョによる経済の影響は、2029年までに世界経済に3兆ドル(約433兆円)の経済損失をもたらす可能性があると、米国の研究グループが見積もっているそうです。
進まない気候変動の緩和
国際社会に甚大な被害が想定される気候危機を前に、各国の対応は緩慢のままのようです。
遠のく温暖化対策目標達成、記録的高温でも各国動かずと専門家が危機感 | ロイター
「われわれは本当に正念場を迎えている。現実を目の当たりにすることで、人々の動きや政治が変わることを望んでいる」とグリーンピースメンバーが述べているそうです。
いまだに終わらない紛争に時間が取られるからなのでしょうか。
気候変動への適応
国は「GX」「脱炭素」と口に出し、その政策を推進しようとしますが、経済的な色彩が濃いように感じます。それでこの異常気象に対応できるのでしょうか。
夏の気温が上がるほどエネルギー消費が増えて冬の在庫が減る。秋の農作物の収穫量も夏の天候次第。夏の気候が今後の経済や生活にも影響するというのだ。(出所:東京新聞)
「ここ数年、気象によって経済が左右される事態が続いている。農産物、エネルギーともに夏の状況次第で秋冬や来年の在庫が決まる」と専門家は話し、ここ数カ月が分かれ目になると緊張感をもって注視しているといいます。
「気候変動への適応」が遅れていないでしょうか。
国の政策ミスなのか、それ以外の色々な問題が噴出し、手が回らずに後手後手になりそうです。
地域電力、エネルギーの地産地消
岩手県久慈市の長内川にある滝ダムの水力発電で発電された電力が、地域新電力の久慈地域エネルギーに卸され、市の施設や市内の企業、住宅で使われているそうです。
水力は地域の資源「取られたものは返してもらう」 動き始めた新電力:朝日新聞デジタル
こうした地域の活動が、より現実的に「気候変動への適応と緩和」に役立っていくのかもしれません。そればかり、それが自衛にもなっていくのでしょう。頼りない国をあてにしては地域を守ることもできず、生活が脅かされることが続きそうな気がします。
「参考文書」
エルニーニョ現象、7年ぶり発生 世界で433兆円損失の予測も | 毎日新聞