反対運動が続く神宮外苑の再開発で、高木伐採がは8月から開始される予定といいます。街の再開発のあり方を考えさせられます。
池袋駅周辺の再開発では、高際豊島区長が「駅周辺のまちづくりにおいて、西武池袋本店の存在は絶対条件」と、セブン&アイ・ホールディングスによるそごう・西武の売却計画について異議を唱えているようです。
宙に浮くそごう・西武売却 セブン&アイは豊島区を説得できるか:日経ビジネス電子版
また、この売却計画については、そごう・西武の労働組合がストライキを検討しているといいます。ヨドバシ入居後の従業員の雇用維持が見通せないことに不満を抱えていることが理由のようです。
街にも文化があって、それが再開発によって打ち壊されてしまうことは耐え難いことなのでしょうか。
再開発で変わる街、変わる人が集まる場所
かつて「若者の街」だった渋谷が「30、40代の街」になり、近頃は新大久保にも多くの若者が集まるようになっているそうです。
渋谷は「おじさんの街」化、新大久保は10代が溢れる若者の街に…予期せぬ社会的背景
渋谷では大規模再開発が進み、30、40代のIT技術系のビジネスパーソンをターゲットに据えた街になってきていると記事は指摘しています。
(かつての渋谷には)小さく猥雑なお店がたくさんありました。こうしたお店に魅力を感じて集まっていたのが、おしゃれな20代の大学生たちと、バブル期の恩恵を受けてお財布事情も豊かだった10代の学生たちでした。彼らによって『若者の街』としてのイメージが作られ、時を経ても若者が集まり続けていました。ですが先の再開発後は若者たちにとって、自分たちのお財布感覚で楽しめるお店は減り、居心地の悪い街になったのです。(出所:ビジネスジャーナル)
大規模再開発で計画的に作られた新しい渋谷は、他のビジネス街とさほど変わらず、結局は街としての個性が埋没し、人を惹きつける意外性がなくなっているのではないかといいます。
「コスモポリタンの街」新大久保、若者の向けの低価格のお店が街のいたるところ並んでいるそうです。
こうした街の猥雑さがもたらすワクワク感、友達や恋人と一緒に街角を曲がった先に何があるのか探す楽しさが、10代の心を惹きつけている。(出所:ビジネスジャーナル)
「自分たちで街の文化を描いていける余白があるか」、かつての渋谷がそうだったように、若者たちが自分たち色に街を塗り替えていく楽しさが若者の街には必要といいます。
渋谷で、今度は道玄坂二丁目エリアが「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」で指定地区になったといいます。このエリアには老舗名店ぞろいの「百軒店」があり、「再開発で百軒店が立ち退きになるのではないか」と危惧する声があがったそうです。
【真相】渋谷の百軒店が都市計画でなくなる? 実際に話を聞いてみたら予想と違った | ロケットニュース24
文化を守りながら暮らしやすく
ライブハウスや老舗飲食店が並ぶ百軒店は文化の発信地であり、魅力的な街であるという認識らしい。百軒店はなくすべきものではなく、守っていくべきものという認識があることを聞いてちょっと安心した。(出所:ロケットニュース24)
ロケットニュースの取材を受けた東京都はこう答えたそうです。
「とはいえ、もちろん今のままというわけではないだろうし、時間をかけてゆっくりゆっくりと街並みが変化していくのだろう」と記事筆者は指摘しています。
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東京の各地が再開発が進んでいます。中野では、あのユニークな外観だった中野サンプラザが建て替えになるといいます。こうした再開発で、街の個性がなくなり、どこもかしこも同じような街になってはつまらないものです。個性を守り、文化を大切にすべきなのでしょう。自治体、企業、デベロッパーはこうしたセンスを身につけて欲しいものです。
「参考文書」
神宮外苑再開発、高木伐採は8月開始予定 今夏に住民説明会:朝日新聞デジタル
そごう・西武労組が異例のスト検討 池袋西武の家電量販店出店に懸念 - 産経ニュース
道玄坂2丁目を「街並み再生地区」に 都が指定、エンタメ施設誘導など促進(シブヤ経済新聞)